セッション情報 |
一般演題(ポスター)ディスプレイ3
C型肝炎・B型肝炎
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タイトル |
P-156 HBs抗原陽性肝細胞癌発生状況の年次的推移に関する検討
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演者 |
安部宏(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科) |
共同演者 |
会田雄太(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科), 石黒晴哉(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科), 吉澤海(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科), 宮崎民浩(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科), 板垣宗徳(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科), 須藤訓(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科), 相澤良夫(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科) |
抄録 |
【背景】本邦の肝細胞癌(HCC)発生状況はHCV関連の頻度は減少傾向で非ウイルス性の頻度が増加している一方でHBV関連の頻度は核酸アナログ登場後もほとんど変化がない.【目的】HBs抗原陽性肝細胞癌発生状況の年次的推移の実態を明らかにする.【方法】2000~11年に当科で診断したHCC575例説HBs抗原単独陽性例は52例(90%)で2000~05年(前期)19例と2006一一11年(後期)32例の2群聞で発生状況につきさらに前後期関係なくHCC診断時に核酸アナログを投与していた群(投与群)7例と投与されていなかった群(非投与群)45例の2群でも比較検討した.【結果】全HCCに対するHBs抗原単独陽性例の頻度は前期7.0%(19/273)後期11.1%(33/296)であった.HCC診断前より核酸アナログを内服していたのは前期1例(5.3%)後期6例(18.8%)で前期と後期では男女比HCC診断時の背景肝の予備能HCCのT因子などに有意差を認めなかったが後期では前期に比し診断時の年齢が有意に高齢であうた(中央値:62歳vs. 51歳p<0.05).投与群と非投与群での検討では男女比には有意差を認めなかったが投与群では非投与群に比し診断時の年齢が有意に高齢であり(中央値:67歳vs. 57歳p<0.05)HCC診断時の背景肝の予備能は良好な傾向にあり(nonLCChildA/ChildBC:7/O vs 29/16. p=O145)。 HCCのT因子は進行していない傾向にあった(T12/T34:6/lvs.23/22p=O.192).【考察】投与群と非投与群での検討結果は前・後期での傾向をより強く示し核酸アナログによりHCC発生時期は遅らせるが投与継続にもかかわらず一定の頻度でHCCは出現することが示唆されHBV関連HCCの頻度が核酸アナログ登場後も変化のない理由と考えられたまたHCC発生時においても肝予備能が維持され治療選択の幅が拡がる点でも核酸アナログ投与は有用と考えられた【結語】HBs抗原陽性肝細胞癌発生状況の年次的推移には核酸アナログが大きく関与している可能性が考えられた. |
索引用語 |
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