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ERCP治療

タイトル

P-157 当院における急性胆嚢炎に対する経乳頭的胆嚢ドレナージの現況

演者 松原三郎(東京警察病院消化器科)
共同演者 梅舟仰胤(東京警察病院消化器科), 須山由紀(東京警察病院消化器科), 鈴木剛(東京警察病院消化器科), 小椋啓司(東京警察病院消化器科)
抄録 【背景・目的】当院では発症後3日以内の急性胆嚢炎に対しては可能な限り緊急・早期の腹腔鏡下胆嚢摘出術を行っている.早期手術対象外症例や手術リスクの高い症例でかつ中等症以上では経皮的胆嚢ドレナージを行うがt胆管炎合併例や抗凝固・抗血小板療法施行例では経乳頭的胆嚢ドレナージを行っている.当院における経乳頭的胆嚢ドレナージの現況を報告する【対象と方法】2010年1月から2011年10月までに経乳頭的胆嚢ドレナージを試みた急性胆嚢炎14例.男性9例女性5例.年齢中央値80.5歳(48歳一94歳).重症度は中等症9例重症5例経乳頭的ドレナージを行った理由(重複あり)は胆管炎合併7例抗凝・抗血小板療法施行6例患者希望1例高度肥満のため穿刺困難1例.胆嚢炎の原因はt胆嚢結石12例tEPBD後乳頭浮腫1例胆嚢管癌1例.【結果】14例中10例(71%)で経乳頭的ドレナージに成功した.内痩は6例でうち3例は胆嚢摘出術を行い3例は高齢・認知症のため留置したまま退院となった.外助4例のうち2例は胆嚢摘出術を行い2例は手術拒否のためドレナージチューブを抜去して退院となった.内外痩問わずドレナージ不良による症状悪化は認めなかった.ドレナージ不成功の4例中2例で経皮的ドレナー・ジ2例で保存的加療を行い最終的に2例で胆嚢摘幽術を行ったドレナージ不成功の理由は胆嚢管完全閉塞2例胆嚢管鋭角的分岐1例、胆嚢管同定不能1例.手技に伴なう偶発症は急性膵炎1例(7%)高アミラーゼ血症4例(28%)胆嚢管損傷1例(7%)でいずれも保存的に軽快した胆嚢管損傷は胆石性胆嚢炎の症例で胆管ステント留置で改善した.【結語】経乳頭的胆嚢ドレナージは経皮的胆嚢ドレナージより成功率は劣るが偶発症は少なく胆管炎合併例や抗凝固・抗血小板療法施行例では最初に試みて良い方法と考えられた.また一期的内痩化が可能なため特に高齢・認知症の患者で胆嚢摘出術の対象外で早期退院が望ましい症例は本法の良い適応と考えられた.
索引用語