セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ1

ERCP治療

タイトル

P-159 術後再建腸管症例に対するダブルバルーン内視鏡ERCP

演者 田村哲男(虎の門病院消化器内科)
共同演者 今村綱男(虎の門病院消化器内科), 竹内和男(虎の門病院消化器内科), 小山里香子(虎の門病院消化器内科), 小泉優子(虎の門病院消化器内科), 後藤英晃(虎の門病院消化器内科)
抄録 【目的】術後再建腸管に対するダブルバルーン内視鏡を使用してのERCPの成績と合併症について検討した.【対象】2009年1月から2011年10月の間に当院で術後消化管に対してERCPが行われたものは80例であった.そのうちダブルバルーン内視鏡を使用してERCPを行った17症例22回を検討の対象とした.再建術式はR-Y再建が13例B-2再建が4例.対象疾患は総胆管結石10例悪性胆道狭窄4例吻合部狭窄2例その他1例であった.【結果】4例は胆管開口部(乳頭または胆管空腸吻合部)に到達できなかったがそのうち2例は後日再度施行して到達できた.胆管開口部に到達できた症例は2例を除き深部挿管可能であり88%の挿管率であった.胆管開口部に到達できずに終了した症例はスコープ挿入より65分から180分で手技中止としていた.合併症は急性膵炎が2例1例で過鎮静による呼吸抑制.1例で術後に忍声が出現したために精査を行ったところ片側声帯の固定が認められた.この症例は輸入脚が長いために処置終了まで100分余りと時間を要しオーバーチューブ留置およびERCPの体位である腹臥位頸部右方位による咽頭喉頭の圧迫のため反回神経麻痺が生じ声帯麻痺となったと考えられたこの症例は保存的経過観察で約2週間後に軽快した【結論】胆管の開口部まで到達できた症例は深部挿管率88%であった.術後再建腸管に対してのERCPでは開口部まで速やかに到達することが手技成功だけでなく合併症の面で重要と思われる.1例に認められた声帯麻痺はダブルバルーンERCP特有の合併症と考えられた.
索引用語