セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ2

大腸

タイトル

P-167 大腸鋸歯状病変に合併した早期大腸癌の3例

演者
共同演者
抄録 【緒言】大腸鋸歯状病変はhyperplastic polypSessile serrated ade-noma/polyp(SSA/P)traditional serrated adenoma(TSA)などに分類され腺腫性病変とは異なる発癌経路をもつと言われている.今回我々は鋸歯状病変由来と考えられる早期大腸癌3例を分子生物学的解析も加え報告する.【症例1】73歳男性.横行結腸の12mm広基性隆起性病変を内視鏡的に切除した.病理組織所見は鋸歯状増生を示す異型腺管を背景に腺癌の粘膜下浸潤(1100μm)を認めSSA/P由来の癌と診断した.遺伝子解析では癌部にBRAF変異(+)hMLH1遺伝子のプロモーター領域のDNAメチル化(+)p53免疫染色は過剰発現(一)であった.【症例2160歳男性.下行結腸の18mm書簡性隆起性病変を内視鏡的に切除した.病理組織所見は粘膜下層250μmに浸潤する腺癌周囲の非癌部に不規則な分岐や拡張を伴う鋸歯状腺管を認めSSA/Pに合併した癌と診断した.遺伝子解析では癌部はBRAF変異(+)hMLH1のDNAメチル化(一)でp53免疫染色は過剰発現(+)であった.【症例3】50歳女性。直腸の12mm亜有茎性隆起性病変を内視鏡的に切除した.病理組織所見は粘膜内に限局した中分化型腺癌であり早耳部に細胞異型を伴う鋸歯状腺管を認めTSA由来の癌と考えた.遺伝子解析では癌部にKras変異(+)t p53免疫染色で過剰発現(+)であった【考察】今回検討した早期大腸癌3例は鋸歯状病変由来と考えられるがそれぞれ異なる分子生物学的特徴を示していた.以上を文献的考察も含め報告する。
索引用語