抄録 |
【目的】大腸ESDは先進医療として認められ少しずつ普及している.青森県は都市部と比べ健康意識も低く高齢化も進行し大腸癌死亡率が高い.このため我々は大腸癌の早期発見治療に貢献したいと考えている.そこで当院で大腸ESDを施行された高齢者の特徴を検討することによりその安全性を明らかにする。【方法】2009年4月から2011年10月までに弘前大学医学部付属病院で初回治療として大腸ESDを施行した85症例を対象とした.75歳以上の超高齢者群65歳以上75歳未満の高齢者群と非高齢者の3群に分け基礎疾患内服薬治療成績合併症について検討した.【結果】当院で施行した大腸ESD症例85症例88病変を超高齢者群(A群)27症例28病変、高齢者群(B群)33症例34病変非高齢者群(C群)25例26病変に分けた.基礎疾患数は各群間に有意差を認めなかったが平均内服薬数A群6.4剤B群4.9剤C群3.1剤でA群はC群に対し有意に内服薬が多かった.抗血栓療法患者はA群29β%B群30.3%C群20.0%であった切除径はA群39.5±10.8mmB群43.0±20.6日頃C群4α4±17.lmm病変径はA eW 31.5±11.6㎜B 9e 35.0±22.OmmC翻6±170mmだりた.切除時間はA群66.9±32.8分B群92.3±582分C群783±492分でA群に比べB群が有意に長かった.一括切除率はA群100%B群94.1%TC群92.3%治癒切除率はA群82.1%B群79.4%C群84.5%で有意差を認めなかった合併症はA群1例。B群1例C群2例に認めた.【結語】当院で大腸ESDを施行された患者は高齢になるに伴い内服薬が増えていた.しかし合併症治療成績ともに各年齢間に有意な差を認めなかった.高齢者でも注意すれ.ば安全にESDを施行できると考えられた. |