抄録 |
【目的】内視鏡的切除後に追加腸切除を実施した早期大腸癌症例の特徴を後ろ向きに検討した【方法】2003年2月より2008年5月までに当院にて追加腸切除を実施した早期大腸癌11例を対象とした.男性6例女性5例平均年齢60.4歳であった.【成績】臨床症状は健診時便潜血反応陽性が4例下血が2例その他5例であった.早期大腸癌の占拠部位はS状結腸が6例直腸が2例上行結腸が2例回盲部が1例であった.EMR前の形態は0-Haが5例0-lspが2例0-Isが1例0-Is+Ilcが1例LSTが1例不明1例であった.腫瘍マーカーはCEAが3.3士2.3(ng/mL)2例で5.Ong/mL以上CA19-9が15.7±12.6(U/mL)1例で46 U/mしと上昇を認めた.病理は高分化型腺癌が10例不明1例であった.EMR後脈管浸襲は1yOvOが4例lylv1が1例不明6日目あった.追加腸切除が実施された理由はsm浸潤が8例断端不明が3例であった.sm浸潤のうちsm1は1例sm2は4例smmassiveは3例であった.術前内視鏡的形態は町田が6例潰瘍が4例潰瘍+隆起が1例であった.術式はS状結腸部分切除術が6例直腸低位前方切除術が2例上行結腸部分切除術が2例回盲部切除術が1例であった.術後病変部の平均径は7.3×62mmであった.術後病理組織学的には再生上皮が4例炎症細胞浸潤が2例腺腫が1例痕痕組織が1例不明3例であった.脈管浸襲は全例でlyOvOであった.リンパ節転移は1例のみN1でpStageOが10例maが1例であった予後は10例で再発なく1例のみ肝転移を認め肝右葉切除術が実施されたが全例生存中で生存期問は633.5±922.2(日)であった.【結論】今回の症例ではsm1浸潤であっても術後リンパ節転移を認めた症例では経過観察中に肝転移を認めた.したがってsm massiveでなくても術後リンパ節転移を認めた症例では厳重な経過観察が推奨される |