セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ3

大腸

タイトル

P-183 薬剤起因性腸炎としてのClostridium difficile関連疾患(CDAD)

演者 櫻井伸也(奈良県立五條病院消化器病センター)
共同演者 森安博人(奈良県立五條病院消化器病センター), 竹田幸祐(奈良県立五條病院消化器病センター), 高木宏哲(奈良県立五條病院消化器病センター), 西村典久(奈良県立五條病院消化器病センター), 堀内葉月(奈良県立五條病院消化器病センター), 明石陽介(奈良県立五條病院消化器病センター), 中谷吉宏(奈良県立五條病院消化器病センター), 松本昌美(奈良県立五條病院消化器病センター)
抄録 【目的1 Ciostridium ancile(CD)は抗菌剤起因性腸炎で関与が明らかな唯一の起因菌である.CDは産生するtoXinにより下痢をはじめとするCDADを発症する.今回CDAD患者の臨床像を明らかにするとともにその対策を検討する【対象方法】2010年1月から20010年ユ2月の聞当院入院中に水様下痢をきたし臨床的にCDADと診断された43例を対象とし背景原疾患使用薬剤治療法について検討した.【結果1年齢は平均83.0歳(男性15例女性28例)であった70歳未満は5例でうち2例は担癌患者1例は糖尿病で腎症のため人工透析導入中1例は脳血管障害でPEG造設し経腸栄養中であった.43例全例で発症前の抗菌薬の使用がみられた原疾患は肺炎14例尿路感染症8例感染性脊椎炎2例胆管炎2例蜂窩織炎1例術後16例であった.使用薬剤はペニシリン系22例セフェム系は第一世代2例第二世代12例第三世代6例第四世代3例カルバペネム系10例Tテトラサイクリン系2例リンコマイシン系1例tニューキノロン系2例であった.治療は原因抗菌剤申止と乳酸菌製剤投与を全例に行い重症例難治例では塩酸バンコマイシン(VCM)内服を迫面した.15例(平均802歳)ではVCM投与は必要なく28例(平均8生4歳)でVCM投与が必要であった.【考察】CDADは原疾患にかかわらず抗生剤投与後の高齢者および基礎疾患を有する患者に発症する起因薬剤ではセフェム系ペニシリン系が多いが全使用例との比較ではでは第三世代以降のセフェム系カルバペネム系が多い傾向にあった.高齢者や遅産患者などの免疫能の低下した患者への抗菌剤使用時には乳酸菌製剤の投与を併用するtカルバペネム系や第三世代以降のセフェム系抗生剤の使用には適応を充分考慮するなど腸内細菌叢の保持を意識した抗菌剤使用が必要と考えられた.
索引用語