セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ3

大腸

タイトル

P-187 炎痙性腸疾患類似の腸管病変を有したMEFV遺伝子変異陽性症例の検討

演者 荒澤壮一(京都大学消化器内科)
共同演者 仲瀬裕志(京都大学消化器内科), 尾崎義直(京都大学消化器内科), 字座徳光(京都大学消化器内科), 千葉勉(京都大学消化器内科)
抄録 【目的】非定型腸炎治療中MEFV遺伝子変異陽性が判明した3例の検討.1方法】PCR direct sequencingによるMEFV遺伝子型の検索.【結果】症例1:21歳男性.2005年より上腹部痛あり.2009年4月下痢出現.下部内視鏡検査(TCS)で直腸S状結腸に多発アフタ様潰瘍ありCro㎞病(CD)の診断.メサラジン(5-ASA)と成分栄養で改善なく当科紹介.発熱発作あり2010年10月プレドニゾロン(PSL)20mgアザチオプリン50mgメルカプトブリン(6MP)20mg奏効せず. l l月PSL減量時より夜間の発熱発作を繰り返しインフリキシマブ導入で下痢は改善するも腹痛持続した.2011年1月MEFV遺伝子のE148Qヘテロ判明.2月コルヒチンlmg導入後発熱は改善した.下痢T腹痛は持続症例2:22歳女性.2009年5月右下腹部痛と軟便、3日続く40℃の発熱を繰り返すTCSで回盲弁潰瘍あり生検で好中球形質細胞浸潤の他特記所見なし.抗酸菌陰性潰瘍性大腸炎(UC)疑われるも5-ASA奏効せず当科紹介.2011年1月MEFV遺伝子のS503Cヘテロ判明.コルヒチン1mg導入後発熱なし、症例3:42歳女性.2009年4月腹痛下痢が出現.数日周期で発熱と解熱とを繰り返す.TCSで右半結腸に多発びらん炎症性ポリープ指摘されUCの疑い、5ASA奏効せず.7月目SL 20mg導入後は発熱腹痛下痢も消失したが2010年1月PSL減量後発熱発作が出現した3月当科紹介4月TCSで非連続性の多発びらん炎症性ポリープありCD疑い.6MP 15mg奏効せず.5月目EFV遺伝子のG304Rヘテロ判明.コルヒチンlmg導入後発熱発作はなくTCSでびらんの消失と炎症性ポリープの著明な減少が認められた【結論1炎症性腸疾患類似の腸管病変を有するMEFV遺伝子変異陽牲症例を経験した.非定型腸炎の症例において炎症性腸疾患の治療が奏功せず間歌的な腹痛発熱が持続する場合家族性地中海熱を鑑別診断に入れる必要がある.
索引用語