セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ4

肝臓

タイトル

P-188 AFP産生肝腫瘍におけるJagged1遺伝子異常の検出とNotch阻害剤による抗腫瘍効果

演者 川口和紀(金沢大学附属病院消化器内科)
共同演者 本多政夫(金沢大学附属病院消化器内科), 山下太郎(金沢大学附属病院消化器内科), 鷹取元(金沢大学附属病院消化器内科), 上田晃之(金沢大学附属病院消化器内科), 神野正隆(金沢大学附属病院消化器内科), 西川昌志(金沢大学附属病院消化器内科), 金子周一(金沢大学附属病院消化器内科)
抄録 1目的】肝腫瘍において血管新生とAFP産生が関連するとされ一方でNotch経路も様々ながん細胞の血管新生に大きく関与すると報告されている我々はこれまで肝腫瘍細胞株のmicroarray解析でAFP産生の有無で遣伝子発現パターンが異なり血管新生関連遺伝子が大きく寄与することを示した.また肝腫瘍におけるAFPの有無でゲノム増幅欠失の変化もmicroarrayを用いてゲノムワイドに相違を示すことを報告した.更にこの相違を担う遺伝子としてNotch経路に関わるJagged1遣伝子が挙げられ.我々は肝腫蕩でこの経路の果たす役割について詳細に検討した.【方法】各種AFP産生非産生肝腫瘍細胞株また坤軸腫瘍細胞株及び肝細胞がん切除サンプルにおけるJagged1を含めたNotch関連遣伝子及びAFP遺伝子におけるゲノム異常及び発現変化を測定した.またNotch経路を抑制するγ一Secretase阻害剤を肝腫瘍細胞株に投与しその効果を検討した.【結果】肝腫瘍細胞株と特訓腫瘍細胞株でDNA増幅欠失をゲノムワイドに比較した結果は20p領域の広範囲でAFP産生Jl f腫瘍株は増幅傾向でAFP非産生株は欠失傾向でこの領域に位置する遺伝子の中でJagged1がAFP産生株にて発現特進することが判明した.肝がん臨床サンプルでの検討においてはtAFP高発現例でJagged1ゲノム増幅の程度との相関も認めた.TSecretase阻害剤をAFP産生肝腫瘍株に投与すると細胞の増殖能が有意に抑制されシグナルの下流に位置する遺伝子も影響を受けることが判明した.【結論】Jagged1はそのゲノム増幅が発現充進と密接に連動しまたその変化はAFP産生肝腫瘍細胞株のみならずAFP高値の臨床肝がん組織においても認め.られた今後このNotch経路を阻害する薬剤を投与することにより肝腫瘍の増殖進行を抑制させることが期待できる.
索引用語