セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ4

肝硬変

タイトル

P-194 肝硬変患者における骨代謝関連の一般血液検査と亜鉛製剤投与が及ぼす影響に関する検討

演者 大矢史香(市立吹田市民病院内科)
共同演者 永瀬寿彦(市立吹田市民病院内科), 勝野広嗣(市立吹田市民病院内科), 黒住真由美(市立吹田市民病院内科), 笹川廣和(市立吹田市民病院内科), 大嶋太郎(市立吹田市民病院内科), 奥田悠季子(市立吹田市民病院内科), 長谷川大(市立吹田市民病院内科), 長生幸司(市立吹田市民病院内科), 黒島俊夫(市立吹田市民病院内科)
抄録 (目的)肝硬変では骨障害をしばしば合併し肝性骨異栄養症と総称されている.一方必須微量元素の一つである亜鉛は骨形成に重要な役割を果たしており肝硬変にみられる亜鉛欠乏状態は骨量の減少に関与している.このように肝硬変患者では骨代謝に関する血液検査の異常が推測されるそこで今回肝硬変患者における一般血液検査の骨代謝マーカーと亜鉛製剤投与が及ぼす影響について検討したので報告する.(方法)対象は当科に通院中の肝硬変34例(M/Fニ22/12.年齢06.9±11.9歳Child-Pugh A/B/C=20/8/6HCV/HBV/アルコール/AIH/その他=16/6/6/1/5)である.血清CaPALPアルブミン値と肝機能との関係を検討しpolaprezi皿c 75mgを2回/日3か月投与し前後で比較した.統計処理はPearson’s correlation ceet丘CientOne-factor ANOVApah・ed t-testWHcoxon signed-ranks testによった.(成績)肝機能が重症となる程実測Ca値は有意に低値になり(p=OOO78)補正Ca値は逆に高値になった(p=α0336)がtいずれも基準値内であった.アルブミン値の低下(p<OOOO1)によるものと思われアルブミン値は実測Ca値と有意な正の相関関係(r=O;678p〈0.0001)補正Ca値とは有意な負の相関関係(r;一〇.653p〈0.0001)を認めた.血清P値は肝病態間で有意差は認めなかったが(p=α3727)血清ALP値は肝機能が重症となる程有意に高値になった(p=0.0007>.亜鉛製剤投与により肝硬変全体では血清Ca.は変化なかったが血清P値は有意に低下し:(p=O.0420)血清ALP値は有意に上昇した(p=0.0002).病態別に検討するとChild AChild BChnd Cでは血清CaP値は変化なかったが血清ALP値はChild Aでのみ有意に上昇した(p = O.OO24).(結論)肝硬変において骨代謝関連の一般血液検査は肝機能に伴って変化し亜鉛製剤投与により増減する.
索引用語