セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ4

肝硬変

タイトル

P-195 当科で経験した肝硬変に深部出血を合併した3例

演者 渡邉順(新潟大学消化器内科)
共同演者 高村昌昭(新潟大学消化器内科), 松尾祐冶(新潟大学消化器内科), 野澤優次郎(新潟大学消化器内科), 橋本哲(新潟大学消化器内科), 佐藤祐一(新潟大学消化器内科), 坂牧僚(新潟大学消化器内科), 本田譲(新潟大学消化器内科), 上村顕也(新潟大学消化器内科), 土屋淳紀(新潟大学消化器内科), 須田剛士(新潟大学消化器内科), 青柳豊(新潟大学消化器内科)
抄録 肝硬変患者では血小板の低下凝固因子の低下による皮下出血などの表在性の出血がしばしばみられるが筋肉内出血などの深部出血は少ないがその予後はきわめて不良である.今回肝硬変に深部出血を合併した3例を経験した.症例1は50歳女性.アルコール性肝硬変で治療されていた.肝硬変に対する治療中に著明な貧血の進行と下腹部の圧痛があり腹部CTにて後腹膜腔への出血と診断されIVRによる止血を行った.しかしその後も徐々に貧血が進行し胸腔内出血を合併し肝不全死した.症例2は39歳男性転倒したことを契機に左上肢が腫脹し貧血の進行がみられた.CT上t左上肢の筋肉内出血と診断された.元来通院歴はなかったが入院時に初めてアルコール性肝硬変と診断された.濃厚赤血球新鮮凍結血漿の輸血とアンチトロンビン製剤の投与を行ったが右腸腰筋や左大腿部にも出血を認めt出血のコントロールがつかず肝不全死した.症例3はt44歳男性腹満感を主訴に入院した.入院後寝返りにて突然t胆略背部の筋肉内出血を発症した.凝固因子の.輸血.止血剤の投与にて一時は止血したが数日後に誘引なく再び筋肉内出血を起こし.その後t肺胞出血による呼吸不全となった入院23日目に大量下血し出血性ショックで死亡した.肝硬変患者において深部出血は頻度は少ないものの非常に重篤な合併症である.肝硬変患者において急激な貧血の進行を認めた場合本合併症を念頭におき診療にあたることが重要であると考えられた.
索引用語