セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ1

食道癌

タイトル

P-201 胸部食道癌に対する根治的化学放射線療法後のサルベージ手術の術後再発の検討

演者 佐藤弘(静岡県立静岡がんセンター食道外科)
共同演者 坪佐恭宏(静岡県立静岡がんセンター食道外科)
抄録 【はじめに】胸部食道癌に対する根治的化学放射線療法(CRT)は食道温存を目指した治療方法であるがサルベージ手術を必要とする割合は約2割程度と高い.根治性を期待して施行するが再発症例も多く認める.【目的】胸部食道癌に対する根治的CRT後のサルベージ手術の術後再発を検討し新しい知見を得ること.1対象と方法】当院でサルベージ手衛を施行した19例を対象.UICC-TNM第6版の治療前臨床病期(StageI/H/HI/W:4/1/10/4).うち他臓器浸潤や遠隔リンパ節転移により治療前に根治切除が困難と考えられた症例は8例.平均年齢63(52~71)歳.男性16例女性2例.平均術後観察期間828日.CRTは臨床病期に応じてJCOG9708、99060303レジメで施行.郭清範囲は原発巣周囲および治療前にリンパ節転移が疑われた領域を重点的施行.その他の領域は通常手術より縮小して郭清.これらの症例の術後再発についてretrospoctiveに検討.【結果】右開胸開腹食道切除・再建術18例開腹下部食道切除1例.非根治切除は1例(5%).術後在院死亡は放射線肺臓炎の増悪による1例(6%).サルベージ手術後の1年生存率88%3年生存率55%.10例が術後再発.サルベージ手術から再発までの期間は平均9ヶ月(2~16ヶ月).初再発部位は局所5例遠隔3例局所+遠隔1例.局所再発した5例中3例は標準手術の郭清範囲内での再発.【結論】サルベージ手術は症例の蓄積により比較的安全に施行でき約半数が治癒すると考えられる.より治療成績を向上させるためには標準手術で郭清する範1囲内での再発を認めることより切除可能なCRTによる変化であれば標準的な郭清を出来るだけ考慮すべきと考える.
索引用語