抄録 |
目的:高齢化に伴い食道癌罪数は増加しており過去20年で男性では2倍女性では1.3倍となっている.集学的治療の進歩にもかかわらず進行した食道扁平上皮癌の治療成績は未だ満足とは言い難い.一方癌の増殖・浸潤などの生物学的特性は必ずしも遺伝的因子によってのみ規定されるものではなく癌細胞のおかれた微小環境癌・間質細胞の相互作用により強い影響を受けることが近年明らかとなっている.今回われわれは癌間質.特に間質線維芽細胞に焦点を当て食道扁平上皮癌の臨床病理学的への影響を検討した.方法:自治医科大学消化器外科にて2001年から2010年に行った食道癌手術は347例であった.このうち深達度がsm以深でありかつ術前治療を受けていない97例を対照とした.癌間質をlowintermediatehighの3グループに分けて相関分析を行った.さらにα一SMA染色を行い。活性化線維芽細胞(rnyofibroblast)の割合による影響も検討する.結果:対照の平均年齢は672歳で男性が82例女性が15例であった.平均生存期間は1933±80日であり進行癌が54例表在癌が43例であった.回グランク検定では進行癌症例において癌間質が5%以下の症例で生存率が高いものの有意差は認めなかった.一方全症例の相関分析ではstageと静脈侵襲が癌間質量と相関を認めた.さらに.活性化線維芽細胞との関係をαcSMA染色を行い解析中である. |