セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ2

小腸IBD・生物学的製剤

タイトル

P-215 抗TNF-α抗体で維持療法中のCrohn病患者に対する対外式超音波検査による腸管の評価

演者
共同演者
抄録 1背景】抗TNF一α抗体療法は長期にわたるCrohn病の寛解維持を可能にした.しかしながら治療開始5年後の経過では30~40%の症例に二次無効例が現れる.抗TNF一α抗体に対する不応性の判定には血液検査や身体所見だけでは困難であり画像で腸管の炎症を評価しIBSや腸管狭窄の症状また感染症を除外する必要がある.【目的】抗TNF一α抗体療法での二次無効を適切に早期診断するために寛解維持療法中のCrohn病患者について対外式腹部超音波検:査が腸管炎症の評価に有用かどうかを検討した【対象と方法1対象は2010年10月から2011年10月までの間にセントヒル病院で加療するCrohn病26例(抗TNF一α抗体維持療法 13人)潰瘍性大腸炎21例細-菌性腸炎患者10例正常対象症例を58例とした.方法は2か月に一回対外式腹部超音波検査で回腸末端とS状結腸の消化管の壁の厚みを測定してinterval sy加pto搬と血液学的なマーカーとの関係を検討した.【結論消化管壁厚の正常値は正常対象症例で回腸は平均3.1mmS状結腸は平均3.5mmであった.抗TNF一・Ct抗体で維持療法する13人の患者の内4人は8週目の投与前に下痢腹痛の症状が現れた.ノ1・醒が持続して6㎜超でCRPも1.01である賭は抗TNF一α抗体の増量を行った.CRPが陰性であったがS状結腸壁が4.5mmあった患者は投与期間の短縮を行った.他の2例は壁肥厚がなくCRPも陰性のため治療法の変更を行わなかったがその後経過良好である超音波で計測される腸壁の肥厚の程度と血液学的炎症マーカーとの問に相関関係を見出せなかった(CRP l柑関係数r:O.015P:0.89)【結論l Crohn病の腸管の炎症を診断するのに対外式超音波検査は有用である.臨床的寛解階における個々の患者の腸管壁厚を経時的に観察しその変化から治療法を変更できる可能性がある.
索引用語