セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ2

小腸

タイトル

P-216 極・超低出生体重児の消化器術後経過

演者
共同演者
抄録 本邦の低出生体重児比率は1990年頃より著しく増加し2007年には9.7%とOECD諸国平均より3%以上高値となった.一方呼吸循環器系疾患治療の進歩等により死亡率は低く保たれている.消化器術後において成熟児と異なる経過が予想され当院症例につき検討を行った.対象=2001年から2010年まで当院NICU入院.消化器手術を行った極・超低出生体重児15例.結果:女児9例男児6例.在胎23週+4日~33週+2日.出生時体重574g~1498g超低出生体重児11例極低出生体重児4例.双生児5例品胎児1例。小腸穿孔10例壊死性腸炎腸回転異常十二指腸閉鎖回腸閉鎖小腸捻転各1例予後は生存12例死亡3例3例とも出生時体重800g未満.死因は腹膜炎2例脳内出血1例.術後死亡例を除き2-29日目までに栄養再開した.小腸捻転症例では術後11日目から胆汁欝滞性肝障害を呈し肝生検を要した.考察:2005年野呂らの解析で呼吸窮迫症候群インダシンtステロイド投与例で有意に腸穿孔が多かった.以後同症例では早めの腹部レントゲン撮影を行っている.超低出生体重児は11例中3例死亡したが2005年以後全例生存している.穿孔の速やかな発見等が低出生体重児消化器手術症例の予後改善に寄与したと推測される.胆汁血止性肝障害を呈した小腸捻転術後症例は肝生検でPaucity of intrahe-patic bile ducts(PIBD)を疑われたが利胆剤ビタミンD投与継続で軽快した.小腸虚血に至った症例では術後肝胆道系にも留意が必要と考えられた.
索引用語