セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ2

小腸

タイトル

P-217 手術を施行した腸管ベーチェット病単純性潰瘍の検討

演者 飯合恒央(新潟大学消化器・一般外科学)
共同演者 亀山仁史(新潟大学消化器・一般外科学), 島田能史(新潟大学消化器・一般外科学), 野上仁(新潟大学消化器・一般外科学), 田島陽介(新潟大学消化器・一般外科学), 加納陽介(新潟大学消化器・一般外科学), 畠山勝義(新潟大学消化器・一般外科学)
抄録 【背景と目的】ベーチェット病は眼皮膚粘膜病変を主体とした炎症性疾患であるがその臨床像は多様であり特に腸管病変を主体とした特殊型は非定型的な図像を呈することが少なく診断治療に苦慮することがある.本研究では当科で手術を施行した腸管ベーチェット病・単純性潰瘍を検討し今後の問題点について考察した【方法】2000年から2011年までに腸管ベーチェット病あるいは単純性潰瘍を疑われて手術を施行した9例.男:女=4:5当科初回手術時年齢50.9(20-74)歳.経過観察期間51.6(1-132)か月.カルテによる調査を行った.【結果1発症年齢は43.0(9-73)歳初発症状は腹痛下痢などの消化器症状が4例口腔内アフタ発熱がそれぞれ2例であった.ベーチェット病の主症状では口腔内アフタは7例に発症しており眼症状を認めたものはいなかった.副症状では消化器症状は全例関節症状は2例に認めた.HLA-B51は検査した6例のうち5例に陽性であった.MDSなどの血液疾患は3例に認めた。ベーチェット病の病型は不全型1例疑い6例であった手術はのべ19回行われており5例は複数回の手術を受けていた.手術適応は穿孔痩孔が12回と最も多かった.術式は回盲部切除が9回吻合部回腸切除が8回と続いていた.当科での術後合併症率は57。1%であり術後在院期間は52(8-184)日と長かった.ステロイドは術前4例、術後7例にレミケードは術後2例.に使用されていた.【考察】1当科の手術例では腸管ベーチェット病の診断基準にあてはまったのは1例のみであった。手術適応は穿孔痩孔が多く手術は病変を切除することを目的に行われていたが術後合併症が多く入院期間は長かった.今後は診断基準の見直しと病態解明が必要であり外科医としては再発の少ない手術法や周術期管理の開発を行う必要があると考えられた.
索引用語