セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ2

小腸

タイトル

P-218 本邦におけるセリアック病の実態の臨床調査~炎症性腸疾患患者における合併の可能性について~

演者 渡辺知佳子(防衛医科大学校内科学講座)
共同演者 穂苅量太(防衛医科大学校内科学講座), 高本俊介(防衛医科大学校内科学講座), 冨田謙吾(防衛医科大学校内科学講座), 三浦総一郎(防衛医科大学校内科学講座)
抄録 【目的】セリアック病は遣伝的要素に麦鶉蛋白(グルテン)の大量摂取の後天的要素がきっかけとなって発症するとされるグルテン不耐性腸症である.従来は両方の素因が日本には極めて関係が薄いため稀な疾患と見過ごされてきた.しかし海外移住日本人の発症が報告されt遺伝的・後天的の両要素がそろわなくても発症する可能性が指摘された.最近国内でもセリアック病との関達が疑われる消化管悪性リンパ腫や神経障害患者が散見し食生活の西洋化に伴い顕在化しているのではないかと推測されている現在我が国では診断のため.の血清抗体検査が一般的には困難で。実態が分かり得ない.そこでまず欧米の診断アルゴリズムに従って検査を進め実態を調査した.また本疾患は症状が多彩かつ非特異的で炎症性腸疾患患者と似ているため鑑別に血清抗体スクリーニングを行うことが欧米では推奨されている.我が国における炎症性腸疾患おける合併率について調査した.【方法1倫理委員会の承認を得て当科受診患者のうち主に炎症性腸疾患患者とコントロールとして大腸ポリープ患者において.血清で抗組織トランスグルタミナーゼ抗体を測定した.陽性患者においては遺伝的素因(HLA)十二指腸組織の病理組織学的検査をHE染色と免疫染色で行った.【成績】炎症性腸疾患患者においてコントロール群に比べスクリ四国ング時の抗組織トランスグルタミナーゼ抗体の陽性率は高かったが組織検査では活動性の高い患者はみられなかった.【結論】遺伝的素因と環境因子から日本にはセリアック病患者は存在しないとされていたがスクリーニング血清抗体陽性者は存在した.血清抗体陽性例はスクリ.一遇ング時点では組織学的には非活動性でも経過観察中に高率に発症に至ると報告があり今後のグルテン摂取量(後天的要素)によっては発症するリスクが考えられるので注意深く経過を観察する必要が示唆された
索引用語