セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ3

NAFLD

タイトル

P-223 NASH肝硬変とアルコール性肝硬変における病態のbiomarkerに関する検討

演者 土屋昌子(山口大学消化器病態内科学)
共同演者 浦田洋平(山口大学消化器病態内科学), 坂井田功(山口大学消化器病態内科学)
抄録 【目的】肝臓の代表的な生活習慣病としてはアルコール性と非アルコール性があり肝硬変や肝細胞癌へ至ることがある重要な疾患である.今回我々はNASH肝硬変とアルコール性肝硬変の病態を示唆するbiomarkerについて検討した.【方法】第44回肝臓学会総会の肝硬変の成因別実態の診断基準を踏襲しNASH肝硬変と診断した患者11例とアルコール性肝硬変患者14例の計25症例を解析した全例空腹時血糖値が140mg/dl未満で糖尿病治療薬の未投薬症例とし血液生化学検査などを施行し比較検討した.NASH肝硬変群は平均71.6 Mで男性が6人Child-Pugh A/B/Cは2人/8人/1人であったアルコール性肝硬変群は平均69.4歳で男性が12人Child-Pugh A!Bは8人/6入であったil成績1 BMI値はアルコール性肝硬変群(21.7±3.e kg/mz)と比較してNASH肝硬変群(28.7士6.8 kg/m2)で有意に高値であった.両群の空腹時血中インスリン値・且OMA-IR・クレアチニン身長係数に有意差は認めなかった.NASH肝硬変群において.高感度CRPはクレアチニン身長係数と相関を認めた(r=一〇.97p<0.01)HOMA-IR・インスリン値は血申チロシン値と有意な相関を認めた(それぞれτ=0.77p<O.Ol).またチロシン値はプロコラーゲン皿ペプチド値(P一皿一P)とも相関を認めた(r=O.88p<001).血中総分岐鎖アミノ闇値はいずれとも相関を認めなかった.一方アルコール性肝硬変群ではチロシン値とインスリン値のみに相関を認めた(r=α66p<0.05)、【結論】NASH肝硬変群ではt筋肉量の指標の一つであるクレアチニン身長係数と炎症の指標の一つである高感度CRPは負の相関を認めた.チロシン値はインスリン抵抗性や線維化マーカーと正の相関を認めた.NASH肝硬変群においてはチロシン値はインスリン抵抗性・線維化のbiomarkerとなる可能性が示唆されまたクレアチニン身長係数は炎症の指標として有用と考えられたtアルコール性肝硬変群においては強い相閲を示すパラメーターは認めず更なる検討が必要である.
索引用語