セッション情報 一般演題(ポスター)ディスプレイ4

膵癌2

タイトル

P-239 EUS-FNAに膵液細胞診・膵液中KL-6測定の併用は膵癌診断能を向上させるか

演者 松本和也(鳥取大学医学部消化器内科)
共同演者 原田賢一(鳥取大学医学部消化器内科), 武田洋平(鳥取大学医学部消化器内科), 河口剛一郎(鳥取大学医学部消化器内科), 八島一夫(鳥取大学医学部消化器内科), 村脇義和(鳥取大学医学部消化器内科)
抄録 【背景】膵癌診療ガイドラインによると膵癌治療開始前の確定診断が望ましいとされ一tなかでも膵腫瘤に対する超音波内視鏡下穿刺吸引生検(以下EUS-FNA)は正診率85~91%とされているが約10%を正診できないことが今後の課題である.またEUS-FNA施行可能な施設は限られており多くの施設で施行できる膵液細胞診の診断精度を高めるサロゲートマーカーの開発も重要である.【目的】膵癌疑い症例に対してEUS-FNAと膵液細胞診・膵液中K:L-6測定の併用で診断能が向上するかを検討する【対象と方法】2008年1月より2011年8月までにEUS-FNAもしくは膵液細胞診を施行した130例(膵癌72例非膵癌58例).使用スコープはGF-UCT240AL5観測装置はProSound a10穿刺針は22G針もしくは25G針を使用した膵液細胞診に関してはtENPD tubeはPD-PD5Fを留置の後6回膵液採取もしくはセクレチン02μgを1/64希釈し負荷後1回採取した.膵液中”一6測定では30U/ml以上を膵癌陽性のcut off値とした.【結果】膵癌診断の感度/特異度/正診率はEUS-FNAで905%/10096/92.8%膵液細胞診で62。5%/100%/893%膵液中KL-6で50%/100%ノ84.6%EUS-FNAと膵液細胞診の併用で89.7%/100%/93.8%でKしづ追加による診断能も同様であった膵液採取方法による診断能はほぼ同等であった.EUSで腫瘤が確認されEUS-FNAでエビデンスが得られなかった症例に対し膵液細胞診追加する意義は認められなかったがEUS-FNAで診断できず膵液細胞診で悪性と診断した症例を2例経験した(微小浸潤癌IPMC).【考察および結語】EUS-FNAと膵液細胞診を併用することで正診率は向上した.膵液の採取法は費用・手間を考慮するとセクレチン負荷法が推奨される.EUS-FNAでエビデンスが得られなかった膵腫瘤症例に対し膵液細胞診を追加する意義は乏しい.膵液細胞診で検出困難とされる膵尾部膵鈎部症例でK:L-6高値となる症例を認めることより膵液中KL-6測定が膵癌診断の補助診断となり得る可能性が示唆された
索引用語