セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P475 metastatic Crohn's diseaseに対しInfliximabが有効であった一例

演者 隅井雅晴(広島記念病院内科)
共同演者 西山宗希(広島記念病院内科), 立川智子(広島記念病院内科), 高木久美子(広島記念病院内科), 田村忠正(広島記念病院内科), 津賀勝利(広島記念病院内科), 江口紀章(広島記念病院内科), 荒滝桂子(広島記念病院内科), 河村寛(広島記念病院内科), 嶋本文雄(県立広島大学人間文化学部)
抄録 クローン病はしばしば腸管外合併症が生じることが知られている。皮膚病変はその代表的なもので診断時に約10%で認められる.結節性紅斑壊死性膿皮症はよく知られているが稀な病態として炎症性肉芽腫性変化が皮膚に認められることがありmetastatic Crohn’ s diseaseと呼ばれている今回我々は小腸型クローン病の経過中に前胸部に出現したmetastaticCrohn’sdiseaseに対しInfliximabが有効であった一例を経験したので報告する.症例は40歳代男性10歳代で小腸型クローン病を発症.二度:の手術歴があるほか心筋梗塞原因不明の下肢筋痛症の合併がある.小腸病変からの出血で入院後化膿性脊椎炎の合併があり抗生剤治療を行なっていたが平成19年3月初めに右前胸部に1cm大の皮下腫瘤を認めるようになった。CT検査で皮下膿瘍が疑われたため穿刺による排膿を行ない培養検査で一般細菌陰性酵母様真菌1+の結果が得られたため深在性真菌症を疑った.しかし解放創にした後に抗真菌剤治療を行なったものの改善はみられなかった.4月に行なった皮膚生検で肉芽腫性皮膚炎の所見を認めたチールネルゼン染色陰性膿汁の結核菌PCR陰性MAC PCR陰性QFTテスト陰性であり結核性病変は否定的と考えられた.metastatic Crohn’sdiseaseを疑い6月に入りステロイド軟膏の塗布を開始したところ潰瘍周囲の上皮化がみられた.しかし肉芽形成の反応は弱いものであった.心筋梗塞後遺症の合併があったものの感染性脊椎炎が治癒状態となったため患者の十分な了解を得た後にInfiiximabを慎重に投与した.その結果速やかな肉芽増生がみられ一ヵ月後には皮膚潰瘍は搬痕治癒した.その後In-fliximabの8週毎の投与により皮膚病変の再発を認めていない.
索引用語