セッション情報 シンポジウム2(消化器病学会・肝臓学会合同)

C型肝炎治療の最前線

タイトル 肝S2-18:

第二世代プロテアーゼ阻害剤を用いた三剤併用療法の治療効果と今後の位置付け

演者 八橋 弘(国立長崎医療センター・臨床研究センター)
共同演者
抄録 第一世代プロテアーゼ阻害剤(PI)のテラプレビル(TPV)が承認・発売され、HCV治療は新しい時代を迎えた。TPVはPegIFN/RBVとの併用によりウイルス学的著効率(SVR)を著明に向上させる一方、新たな副作用も報告され、高齢の患者が多い我が国では治療対象例が限定されるなどの問題点も明らかとなりつつある。一方、国内及び海外においても、より副作用が軽微な第二世代のPIが複数、開発されて第3相試験が進行中である。そのうちのひとつであるTMC435は、Naive患者を対象とする国内第2試験(DRAGON study:TMC435 100mg/PegIFN/RBV) 及び海外国内第2試験(PILLAR study:TMC435 150mg/PegIFN/RBV)、いずれにおいても対照群であるPegIFN/RBV48週投与に比べ、有意に高い著効率を示す一方で、安全性に関しては対照群と比較して有害事象の頻度及び重症度について明らかな差は認めていない。IFN既治療例(無効及び再燃例)に対する治療成績も、海外第2試験(ASPIRE study)では高い有用性が示唆され、現在、国内及び海外で第3相試験が実施中である。これまでのPegIFN/RBVでは、IL28Bジェノタイプや投与前IP10値が治療効果に影響を及ぼすことが報告されているが、TMC435の海外第2試験ではIL28Bジェノタイプや投与前IP10値によるSVR率の有意な差は確認されていない。今回、当院での自験例も含めて第二世代PIの三剤併用療法における治療効果に影響を及ぼす因子について検討するとともに、治療期間の短縮、高いSVR率、軽微な副作用を実現化した第二世代PIの今後の位置付けについて考察する。
索引用語 HCV, TMC435