セッション情報 |
パネルディスカッション26(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
75歳以上の後期高齢者に対する胆石症の治療戦略
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タイトル |
内PD26-12:ADL不良の急性胆嚢炎および胆管炎例に対するEUS下ドレナージ術
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演者 |
門阪 薫平(近畿大・消化器内科) |
共同演者 |
北野 雅之(近畿大・消化器内科), 工藤 正俊(近畿大・消化器内科) |
抄録 |
【背景】脳血管障害、認知症、悪性腫瘍等に起因するADL不良患者において、急性胆嚢炎および胆管炎が発症した場合、低侵襲治療が望まれる。内視鏡を用いた経乳頭的ドレナージが不成功であった場合には、経皮経肝的ドレナージが行われるが、ADLに支障を来たし、チューブの自己抜去の危険性がある。EUS下ドレナージ術は、経乳頭的ドレナージ術が不能な患者に対して一期的に内瘻化を行うことができる新しいドレナージ治療として注目されてきている。【方法】2006年6月から2012年2月までに急性胆嚢炎および胆管炎に対して行ったERCPが不成功であり、かつADL不良71例の患者に対して、EUS下胆道ドレナージ術(75セッション)を施行した。内訳はEUS-choledochoduodenostomy (CDS)28例、EUS-hepaticogastrostomy (HGS)26例、EUS-guided gallbladder drainage(GBD)13例、EUS-Rendezvous4例であり、そのうち胆石の患者は5例であった。検討項目は手技成功率、臨床症状改善率および偶発症発生率とし、CDSとHGS、GBD、Rendezvous法および全治療成績を検討した。【結果】手技成功率は全治療で97.1%(CDS、HGS、GBD、Rendezvous:96.4%、96.1%、100%、100%)であり、臨床症状改善率は全治療で94.2%(CDS、HGS、GBD、Rendezvous:96.3%、88%、100%、100%)であり、偶発症は全治療で23.2%(CDS、HGS、GBD、Rendezvous:29.6%、32%、0%、0%)であった。そのうち胆石症例の5例については、手技成功率100%(5/5)臨床症状改善率100%、偶発症0%(0/5)であった。偶発症は16例であり、HGS群においてステント迷入および逸脱がそれぞれ1例、限局性腹膜炎が10例であった。【結語】EUS下胆道ドレナージ術は、ADL不良の高齢者において選択されうるドレナージ治療と考える。 |
索引用語 |
胆石, EUS下胆道ドレナージ術 |