セッション情報 |
パネルディスカッション26(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
75歳以上の後期高齢者に対する胆石症の治療戦略
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タイトル |
外PD26-13:75 歳以上における腹腔鏡下胆嚢摘出術の安全性の検討
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演者 |
横山 政明(杏林大・外科) |
共同演者 |
阿部 展次(杏林大・外科), 杉山 政則(杏林大・外科) |
抄録 |
【目的】75歳以上における腹腔鏡下胆嚢摘出術の有用性と安全性を明らかにする。【対象と方法】腹腔鏡下胆嚢摘出術を受けた200例を対象とし、75歳以上の高齢者31例と75歳未満の非高齢者169例に分け、性別・全身併存症の有無・術前PTGBDの有無・術前総胆管結石処置の有無・抗血栓療法の有無・開腹歴の有無・BMI・手術時間・麻酔時間・術中出血量・合併症の有無を比較検討した。統計学的検討にはPearsonのχ2 test、及びMann-Whitney U testを行ない、p<0.05を有意差ありとした。【結果】高齢者において手術時平均年齢(79歳vs 57歳)と抗血栓療法(高齢者25.8% vs 非高齢者8.3% )、術前PTGBD(高齢者38.7% vs 非高齢者19.5%)が有意に多い傾向にあったが、性別(高齢者男女比20:11 vs 非高齢者男女比93:76)、全身併存症の有無(高齢者51.6% vs 36.1%)、術前総胆管結石処置の有無(高齢者35.5% vs 20.7 %)、開腹歴の有無(高齢者6.5% vs 2.4%)、BMI(高齢者平均22.6 vs 非高齢者平均27.6%)、手術時間平均(高齢者156分 vs 非高齢者161分)、麻酔時間平均(高齢者222分 vs 非高齢者平均227分)、術中出血量平均(高齢者33ml vs 非高齢者30ml)、合併症の有無(高齢者12.9% vs 非高齢者5.3%)は両群間に有意差は認められなかった。本検討で最も重要である合併症の内訳は、高齢者において術後胆汁瘻1例、術後閉塞性黄疸1例、SSI2例の計4例。非高齢者において術後胆汁瘻3例、術後閉塞性黄疸1例、胆管損傷1例、SSI 3例の計8例であった。【結論】腹腔鏡下胆嚢摘出術は、高齢者においても安全に実施でき、胆嚢良性疾患に対する標準的手術法と位置付けることが出来る。 |
索引用語 |
腹腔鏡下胆嚢摘出術, 高齢者 |