セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

240 恒常活性型変異MEK遺伝子導入細胞における抗癌剤感受性についての検討

演者 堀川洋平(秋田大学消化器内科)
共同演者 大高道郎(秋田大学消化器内科), 神万里夫(秋田大学消化器内科), 小松工芽(秋田大学消化器内科), 小田嶋傑(秋田大学消化器内科), 和田勲(秋田大学消化器内科), 松橋保(秋田大学消化器内科), 大場麗奈(秋田大学消化器内科), 小宅仁子(秋田大学消化器内科), 畠山夏美(秋田大学消化器内科), 渡辺純夫(秋田大学消化器内科)
抄録 【目的】MAPキナーゼカスケードのMEK-ERKシグナルは細胞の分化・増殖に関与するとされ大腸癌腎臓癌肺癌などで高率に活性化が認められる.このシグナルは細胞周期の促進浸潤能の充進血管新生因子の発現二進などにも関与していることが報告され大腸癌の成立・維持・進展に大きく関与している可能性が考えられる.これらは同時に細胞に対して生存の優位性を付加していると推測され一部の抗癌剤の抵抗性にも関与していることが報告されているがその詳細は明らかではない.抗癌剤に対する検討は主に癌細胞を用いて行われることが多いが癌細胞では既にアポトーシスを含む多くのシグナル経路に異常を来していることが推測され純粋なシグナル経路の評価のモデルとして適切でない可能性がある.今回我々は恒常活性型変異MEK遺伝子導入ラット正常腸上皮細胞を用いてMEK-ERKシグナルが抗癌剤感受性(抵抗性)に与える影響について検討した.【方法】恒常活性型変異MEK門門子導入ラット腸上皮細胞1:RIE細胞(DD13DDI4)2:IEC-6細胞(IEC-CAMEKIIEC-CAMEK2)の2系統の導入細胞を用いて抗癌剤(CDDP5-FUVP-16CPTII)に対するIC.を算出した.【成績】恒常活性型変異MEK遺伝子導入細胞はempty vec-tor導入コントロール細胞に比して抗癌剤に対する抵抗性が増強しIC.では対CDDP:2.3倍(P<O.05)対5-FU:2.6倍(P<O.05)VP-16:16.4倍(P<O.05)CPT11:2.48倍(P<0.05)の上昇を認めた.【結論】MEK:一ERKシグナルの恒常活性化により抗癌剤に対する抵抗性は著明に上昇したことからアポトーシス抵抗性を介した機序が考えられた.
索引用語