セッション情報 ワークショップ1(肝臓学会・消化器病学会・消化器がん検診学会合同)

非B非C型肝癌を見落とさないための方策

タイトル 消W1-15:

当科における非B非C型肝細胞癌切除例の検討

演者 岡村 行泰(静岡がんセンター・肝胆膵外科)
共同演者 金本 秀行(静岡がんセンター・肝胆膵外科), 上坂 克彦(静岡がんセンター・肝胆膵外科)
抄録 背景:近年、B型、C型肝炎いずれも伴わない非B非C型肝癌(NBNC-HCC)の占める割合が増加している。また、肝炎ウイルスを背景とするHCC (B or C-HCC)は、HBs抗原、HCV抗体陽性の有無で判断するため、HBc抗体陽性のoccult B症例がNBNC-HCCに含まれる可能性がある。目的:NBNC-HCCの特徴を明確にするため、B or C-HCCとNBNC-HCCの比較検討を行い、また、NBNC-HCCのうち、occult Bと非occult Bとの比較検討も行った。対象:2002年9月から2011年12月までにHCCに対し肉眼的根治切除が行われた412症例中、NBNC-HCCは125例(30.3%)で、そのうちHBc抗体検査が行われていたのが91例、occult Bは32例、非occult Bが59例で、これらを比較検討した。結果:NBNC-HCCでB or C-HCCと比較し、有意に高齢で(median (year): 70 vs. 68, P<0.01)、BMI高値(median (kg/m2): 22.7 vs. 21.8, P<0.01)、糖尿病が併存(P<0.01)、飲酒歴のある(P<0.01)症例が多く、AFPが低く(median (ng/mL): 9.2 vs. 31.4, P=0.01)、PIVKA-2が高く(median (mAU/mL): 329 vs. 110, P<0.01)、腫瘍因子では、単発例が多く(P=0.031)、腫瘍径が大きかった(median (mm): 50 vs. 30, P=0.01)。無再発生存期間(DFS)ではNBNC-HCCでB or C-HCCと比較し、有意に良好であったが(median (months): 33.5 vs. 19.4, P<0.01)、全生存期間(OSS)では有意差を認めなかった(median (months): 80.5 vs. 70.7, P=0.46)。また、NBNC-HCCのうち非Occult Bで有意に糖尿病併存(P<0.01)例が多く、L3分画が低く(median (%): 1.8 vs. 24.8, P=0.018)、肝内転移を伴っていた(P=0.02)。Occult BでDFSが、有意に良好であったが(P=0.013)、OSSでは有意差を認めなかった考察:NBNC-HCCは、糖尿病併存、飲酒歴あり、BMI高値症例に多く、これらの項目をみたす患者をスクリーニングすることで、腫瘍が増大する前にNBNC-HCCを同定できる可能性が示唆された。
索引用語 肝細胞癌, 非B非C型肝癌