セッション情報 | ワークショップ2(肝臓学会・消化器病学会・消化器がん検診学会合同)高齢者のC型肝炎-どう扱うか? |
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タイトル | 肝W2-9:ぺグインターフェロン少量隔週投与法は高齢者C型肝炎の維持療法として有用性である |
演者 | 梶原 英二(製鉄記念八幡病院・肝臓内科) |
共同演者 | 大穂 有恒(製鉄記念八幡病院・肝臓内科), 山下 尚毅(製鉄記念八幡病院・肝臓内科) |
抄録 | 【目的】 我々はPEG‐IFNα2a 90μg単独隔週投与法が高齢者や肝硬変症例に対してペグインターフェロン・リバビリン(PEG-IFN/RBV)無効であってもALT値およびAFP値を有意に改善することを報告した(Hepatol Res. 2012;42:254-63)。今回同治療例でIL28B SNP解析を行った52例を65歳未満と65歳以上に分別し、ALT値とAFP値の変化を検討した。 【方法】 対象は2008年以降にPEG-IFN/RBV療法が困難または無効なゲノタイプ1b症例でPEG‐IFNα2a 90μg単独隔週投与法を施行し、IL28b SNP解析を行った52例。治療前ALTが31 IU/l以上で、年齢中央値は69歳(51-80歳)で65歳以上69 % (70歳以上46 %)。 男性16例 (31%)。IL28B SNPであるrs8099917でメジャーアリル(TT) 39例(75%)、F1/2/3/4=1/7/10/5/29、治療期間(週) -47/48-71/72-95/96-= 2/17/13/20。IFN初回/PEGIFN・RBV療法再燃/無効=18/25/9。ALT値とAFP値の変化およびALT正常化(24週目のALT 30 IU/l 以下)の要因を検討した。 【成績】 65歳未満群と65歳以上群での臨床背景に差はみられなかった。65歳未満群および65歳以上群でのALT値(中央値)は前/4週/8週/12週/24週/48週=78/39/37/47.5/41 および71.5/39/26.5/26/27.5 IU/lと両群とも4週目より有意に低下。AFP値は前 /24週=8.9/7.4 および6.65/5.4 ng/mlと両群とも有意に低下した。24週目でのALT正常化例は26例(50%)、65歳以上群では61%であった。ALT正常化例は治療によるHCV RNA 2 log10 以上低下が24例(92%)と有意に高率であった。 65歳以上群では副作用による48週以内中止例はみられず、全経過で70%以上の症例で自覚症状はみられなかった。なおIL28B SNPのマイナーアリル13例においてもALT値は前値60 から24週目38 IU/l (p<0.01)、AFP値は12.2から9.8 ng/ml (p<0.01)に有意に低下した。 【結論】 高齢者に対するPEG‐IFNα2a 90μg隔週投与法は副作用が少なくALTおよびAFP値を有意に低下し、高齢者C型肝炎の肝病変進展および発癌予防に有用な治療法であることが示唆された。 |
索引用語 | C型肝炎, ペグインターフェロン |