セッション情報 ワークショップ3(消化器病学会・消化器内視鏡学会・肝臓学会合同)

アレルギー性消化器疾患の実態

タイトル 内W3-4:

本邦での好酸球性胃腸炎の実態調査~当院での経験も含めて~

演者 石川 智士(福岡大筑紫病院・消化器内科)
共同演者 松井 敏幸(福岡大筑紫病院・消化器内科), 木下 芳一(島根大・2内科)
抄録 【背景】好酸球性胃腸炎(以下EGE)は比較的まれな疾患であり、明確に確立された診断基準はない。【目的】平成21年度より「好酸球性食道炎/好酸球性胃腸炎の疾患概念確立と治療指針作成のための臨床研究」として厚労省研究班が発足した。今回EGEの疾患概念を確立し、診断基準と治療指針を作成することにより臨床の場で診断、治療を適切に行うことを目的とする。【方法】H21年度、EGEに関する全国調査アンケートを実施し、男女144例を解析した。また当院でのEGE4例とEGE疑診例11例の計15症例を検証した。【結果】アンケート調査では症状は腹痛と下痢が50%以上に認められた。末梢血中好酸球増多は約80%の症例で陽性であり、小腸病変症例でより高値であった。消化管内視鏡検査ではびらんや発赤、浮腫などを認める症例が多いが、特異的画像所見はなかった。組織学的に好酸球浸潤を根拠に診断された症例は90%を超えた。最も使用された治療はステロイドであった。当院でのEGEは4例で好酸球性腹水、末梢血中好酸球増多、組織中の好酸球主体の炎症細胞浸潤等より診断した。またEGE疑診の11例は末梢血中好酸球増多症例ではアレルギーなどの基礎疾患を有しており、組織中の好酸球浸潤はあるものの他の炎症細胞浸潤も認め、EGEの診断には至らなかった。これらをふまえ、研究班において診断指針案を作成した。【考察】臨床の現場でEGEを疑う主な理由は末梢血中好酸球増多、または組織中の好酸球浸潤である。診断は慎重に行う必要があり、当院での経験では組織中の好酸球浸潤症例でも他の炎症性腸疾患を慎重に除外する必要があると考えた。【結語】近年、EGEは医療従事者の間でもその認知度は高まり、症例数も増加しつつある。しかし臨床の場では診断、治療に難渋する症例もある。今回、研究班の診断指針案と当院での経験症例を報告する。
索引用語 好酸球性胃腸炎, 診断指針案