セッション情報 ワークショップ4(肝臓学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)

臓器移植法改正後の脳死肝移植を如何に推進すべきか-新たな問題点とその解決

タイトル W4-基調講演2:

韓国の脳死肝移植事情

演者 小中 節子(日本臓器移植ネットワーク)
共同演者 芦刈 淳太郎(日本臓器移植ネットワーク)
抄録 わが国では、1997年10月に施行された「臓器の移植に関する法律(以下臓器移植法」の改正法が、2010年7月17日に施行された。主な改正点は、本人の臓器提供に関する生前意思が存在しなくても、家族の承諾により脳死下臓器提供が可能、即ち15歳未満の小児からの脳死下臓器提供が可能となったことと、条件はあるものの親族への優先提供が可能となったことである。 改正法施行後20ヶ月余りで改正法前と同数の86例(2012年4月16日現在)が行われ、法律改正前平均6.6例/年の脳死下臓器提供件数を大きく上回った。改正法後に行われた移植は386例であり、そのうち肝臓移植は80例である。他方、肝臓移植希望の新規登録者数は改正前の約2倍に増加しており、登録者累計は、肝臓移植に至った登録者は9.4%に過ぎず、待機中死亡36.4%と多い。 一方、韓国では、2000年に臓器移植法が施行され、その後も現状に応じた法律改正が行われている。この度の2011年6月の法律改正はRequired Referral Actを定め、2009年に設立された臓器調達機関KODA(KODA:Korean Organ Donation Agency)を始動させ、KODAにドナー情報対応の全てを集約させるとしている。法律施行直後よりKODAへの脳死ドナー情報数は倍増し、提供数も増加した。 改正法施行直後の9月にKODAを訪問(平成23年度厚生労働科学研究費補助金事業「改正法後の脳死下臓器提供におけるコーディエンートに関する研究」の一環として)し、韓国の臓器斡旋の実務を担うドナーコーディネーターの体制・活動・教育などの実情を調査したので、報告する。また、わが国のCo体制、活動、教育と対比し、今後のわが国のCoについて検討する。
索引用語 韓国におけるコーディネーター活動, 日本におけるコーディネーター活動