セッション情報 | ワークショップ5(消化器がん検診学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)大腸内視鏡およびCT-colonographyによる大腸がん検診の今後の展開 |
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タイトル | 検W5-4:大腸癌サーベイランスにおける狭帯域光拡大観察を用いた病理診断省略の提唱 |
演者 | 花房 正雄(大阪府立成人病センター・消化管内科) |
共同演者 | 石原 立(大阪府立成人病センター・消化管内科), 田中 幸子(大阪府立成人病センター・消化器検診科) |
抄録 | 【背景と目的】大腸内視鏡検査の際に発見・摘除されたポリープ性病変に対しては、病理組織型を確認しその根治性を評価するだけでなく、次の検査までの間隔(サーベイランス期間)を決定する目的で、その都度病理診断が行われている。狭帯域光拡大観察(M-NBI)を用いたoptical diagnosisによって、リアルタイムにポリープの病理診断を推測することができるため、病理診断を省略することによる労力や費用の削減が可能となり、より効率的にサーベイランス期間の決定ができる可能性がある。M-NBIを用いた病理診断省略の実現可能性について検討を行った。 【方法】大腸内視鏡検査中に発見された10mm以下の103病変を対象に、リアルタイムでM-NBIを用いて非腫瘍性病変、低異型度腺腫、絨毛腺腫もしくは高異型度腺腫以上の異型を有する病変(advanced lesion)、診断不能のいずれかにoptical diagnosisした。さらに、advanced lesionが疑われる病変、診断不能な病変には病理診断が必要、それ以外の病変は病理診断が不要と検査中にリアルタイムで判定した。また、非腫瘍性病変や低異型度腺腫とoptical diagnosisされた病変であっても、施行医の判断で病理診断が必要と判定できるようにした。評価された全ての病変に対して病理診断が行なわれ、病理診断を参照としたM-NBIの診断精度および病理診断省略の安全性について検討した。 【成績】M-NBIで103病変中14病変(14%)は病理診断が必要、89病変(86%)は病理診断が不要と判定された。M-NBIの腫瘍性病変に対する感度 は100%、特異度は55%であった。さらにM-NBIは高い感度(100%)、特異度(93%)でadvanced lesionを選択的に鑑別でき、病理診断が不要と判定された病変の中にadvanced lesionは含まれていなかった。 【結論】今回の検討では、M-NBIを用いてリアルタイムかつ安全に病理診断省略の判定ができる可能性を示すことが出来た。さらに検証のための試験を行って、効率的に決定できる大腸癌サーベイランスの確立を目指す。 |
索引用語 | 大腸癌, サーベイランス |