セッション情報 ワークショップ5(消化器がん検診学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)

大腸内視鏡およびCT-colonographyによる大腸がん検診の今後の展開

タイトル 検W5-7指:

CT colonographyを用いた大腸がん一次スクリーニングの検査精度

演者 満崎 克彦(済生会熊本病院・予防医療センター)
共同演者 松田 勝彦(済生会熊本病院・予防医療センター), 菅 守隆(済生会熊本病院・予防医療センター)
抄録 (目的)当施設ではCT colonography(以下CTC)による大腸がん一次スクリーニングを開始したが、今回その検査精度を検証してスクリーニング検査としてのCTCの有用性を検討した。(対象) 対象は2009年7月から2011年11月までに、大腸がん一次スクリーニングとしてCTCを受診した1209例(男性678名、女性531名、年齢25~89歳:平均年齢56.7歳±10.4歳)である。(方法) 前処置は、PEG-C(ポリエチレングリコール+ガストログラフィン)法またはMAC-C(クエン酸マグネシウム+ガストログラフィン)法で行った。画像解析はziosoft社製ZIO stationを用いて仮想腸管展開画像をチェックし、仮想内視鏡(VE)およびMPR像にて最終判定を行った。要精査とする病変サイズは6mm以上とした。精査時の全大腸内視鏡検査をgold standardとして領域、大きさ、肉眼型別の感度、陽性反応的中度を算出した。また、CTCにおける6mm以上の病変検出能(per-segment)について、感度、特異度、陽性反応的中度、陰性反応的中度を算出した。(成績)要精査は97名(腸管病変82名、腸管外病変15名)で、腸管病変の要精査率6.8%であった。精査結果が判明した腸管病変症例62例66病変中、正診例47例47病変(大腸癌3例、腺腫34例、粘膜下腫瘍3例、HP3例、直腸カルチノイド、CMSEP、MPS、内痔核がそれぞれ1例)であった。領域別の感度(陽性反応的中度)は上行結腸92.9%(65.8%)、横行結腸86.7%(100%)、下行結腸66.7% (50%)、S状結腸100% (81.8%)、直腸 100% (88.9%)であった。大きさ別では6~9mm 85.7% (78.9%)、10~19 mm 100% (70.6%)、20 mm以上 100% (83.3%)であった。肉眼型別ではIs 93.9% (75.6%)、Isp 100% (83.3%)、Ip 100% (90.0%)、平坦型IIa(LSTを含む) 40.0% (50%)であった。CTCにおける6mm以上の病変検出能は感度90.4%、特異度98.0%、陽性反応的中度77.0%、陰性反応的中度94.6%、正診率93.9%であり、癌発見率0.25%(3/1209)と良好であった。(結論)CTCによる検査精度は良好であり、大腸がんスクリーニング法として有用である。
索引用語 CT colonography, 大腸がん検診