セッション情報 ワークショップ5(消化器がん検診学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)

大腸内視鏡およびCT-colonographyによる大腸がん検診の今後の展開

タイトル 内W5-8:

大腸がん検診におけるCT-colonographyの有用性について

演者 福永 光子(高野病院・消化器外科)
共同演者 野崎 良一(高野病院・消化器内科), 山田 一隆(高野病院・消化器外科)
抄録 [目的]「有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン」では、任意型検診として便潜血検査のほか、全大腸内視鏡検査(以下TCS)、S状結腸内視鏡検査(以下SCS)±便潜血検査、注腸検査(以下BE)が推奨されている。当院では主に大腸がん術前検査としてCT-colonography(以下CTC)を2002年10月より導入したが、これまでの検査成績をまとめ、CTCの大腸がん検診における有用性について文献的考察を加えて報告する。[対象と方法]2002年10月~2011年3月までに当院でCTCを施行した1575例を対象に、病変描出能をTCSおよびBE所見と比較した。[結果]TCSおよび手術所見を基準とし、CTCの病変描出率は87.1%。臨床的に有意と思われる5mm以上の病変では90.6%。隆起型病変80.9%に比べ、平坦型病変では68.0%と有意に低かった。また横行結腸(78.8%)と下行結腸(74.3%)では他の部位よりも感度が低かった。CTCとBE両方を施行された大腸癌術前症例43例101病変の検討では、腫瘍径、肉眼型別にCTCとBEでの描出率に差は認めず、上行結腸で有意にCTCの描出率が良好であった。[考察]大腸検査法として最も精度が高いとされるTCSに比べ、CTCの既知病変に対する描出能はおおむね良好であったが、平坦型病変の感度は十分ではない。またBEに比べ、感度は同等、術者の技量によらず安定した精度が期待されること、被曝量が少ないこと、周囲臓器の情報も同時に得られることがCTCの優位な点と考えられる。当院では、現在は大腸癌の術前精査としてBEに換えてCTCを施行しており、その有用性を実感しているが、これを大腸がん検診に導入するには、診断精度向上のために、より負担が少ない適切な前処置法や画像処理法の検討、他のmodalityとの併用など、考慮すべき点は多いと考えている。[結語]CT-colonographyの大腸がん検診における有用性について、検討・報告した。
索引用語 CT-colonography, 大腸がん検診