セッション情報 ワークショップ6(消化吸収学会・消化器病学会・肝臓学会・消化器外科学会合同)

病態栄養からみた肝・胆・膵疾患-治療への応用-

タイトル 消W6-9:

食物摂取頻度調査による栄養学的背景の解析-NAFLD、SAS、DMでの検討

演者 石川 智久(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科)
共同演者 關 伸嘉(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科), 鳥巣 勇一(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科)
抄録 【目的】栄養介入(NS)は生活習慣病の予防進展に有益である。NSに際し栄養学的評価は必須となる。メタボリックシンドローム(MS)と重複した病態を有する、non-alcoholic fatty liver disease(NAFLD)、睡眠時無呼吸症候群(SAS)、2型糖尿病(DM)の栄養学的背景を明らかにし効果的NS手法について検討した。【方法】NS前、NAFLD30例(M/F;19/11),SAS 21例(M/F;19/2)、DM 93例(M/F;80/13)の144例を対象とした。身体計測、血液生化学検査に加え食物摂取頻度調査(FFQg)で実摂取推定熱量(FE)、栄養素別推定摂取量(In-N)、18食品群別推定摂取量(In-18F)を本邦食事摂取基準(2005年厚生労働省)と比較した。【成績】平均BMIは全群25を超えSAS(30.4±4.9)は有意に高値であった。基準熱量(SE)に比し>+10%過剰摂取はNAFLD 6/30(20%)、DM13/93(14%)であるが、SAS14/21(67%)となった。ALT≧40IU/lのSAS(HA-SAS)は12/21(57%)であった。さらに、FE/SE比もSAS(1.2±0.3)で有意に高値となった。In-Nに群間で差異はないが、脂質熱量比(RFE)が全群で推奨比を逸脱した。RFE>30%例は、NAFLD 40%、SAS 57%、DM 37%と高率であった。In-18Fは全群で緑黄色野菜、海草類が摂取基準の-50%となった。一方、全群で菓子、砂糖、油脂類が基準量に比し>+10%の過剰であった。対基準比で菓子類摂取がSAS +3.0±2.7、NAFLD +1.9±1.9、油脂摂取がHA-SASで+2.3±1.3と著しい過剰であった。【結論】本対象は肥満を背景とし、高RFE、菓子、砂糖、油脂類の過剰摂取が共通した所見であった。NAFLDはSASやDMの重複に加え全身疾患として、管理栄養士や他科医師とも協力して早期NSとFFQgによる栄養素、食品群別の評価は、個々の不均衡の的確に是正する。
索引用語 NAFLD, 栄養介入