セッション情報 | 特別講演1 |
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タイトル | SL1:C型慢性肝炎治療の変遷―全症例の治癒を目指して― |
演者 | 熊田 博光(虎の門病院肝臓センター) |
共同演者 | |
抄録 | C型肝炎ウイルスは1989年にウイルスゲノムが発見され,さらにHCV Genotype・ウイルス量の定量など,ウイルス側に関連するマーカーが次々と発見されてきた. 1992年からは,インターフェロン単独療法,更に2004年からペグインターフェロン+リバビリン併用療法,更に2011年からプロテアーゼ阻害剤を含む3剤併用療法と,主としてインターフェロンを中心に治療法が進歩してきた.その間,当初難治といわれた1型高ウイルス量も,3剤併用療法では70%を超える治療効果となった. 治療効果に寄与する因子は,ウイルス側の因子であるISDRが,次いで同じウイルス側の因子であるCore70・91の変異,さらにIRRDRなどが発見されたが,2009年になり,ホスト側の因子であるIL28-BのSNPが大きく治療に関与することが解り,治療効果の予測に役立つことになった. 最近の3剤併用療法では,IL28-BのSNPがメジャーSNPであるTTでは94%が治癒する一方で,IL28-BがマイナーSNPでなおかつCore70番の変異がmutantの症例では,20%以下と,ホスト側の因子とウイルス側の因子により大きくその治療効果に差があることも明らかとなってきた.しかしこれらは,いずれもインターフェロンに寄与する因子である為,日本における高齢者の治療を考える上では,更なる治療法の進歩が必要である. しかし一方で,日本の高齢化社会を反映して,インターフェロンを使えない患者層も著しく増え,また高齢者の肝癌も増加している状態である. こうした日本の現状を考えると,副作用の少ないインターフェロンの登場や,内服剤のみの治療の進歩が必要となる.現在NS5A阻害剤とNS3阻害剤の組み合わせにより,難治例も高率に治癒する治験も進行しており,将来的にはGenotype1,2も含め,内服剤の治療が主流となる. 今回こうした全症例の治癒を目指して,今現在の日本の治療現状と将来の治療の可能性について言及する. |
索引用語 |