セッション情報 | 女性消化器医師支援委員会特別企画女性消化器医師のキャリア開発と活躍支援 |
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タイトル | SS2-2:卒前・卒後教育の立場から |
演者 | 田川 まさみ(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科医歯学教育開発センター) |
共同演者 | |
抄録 | 2011年に医学部教育の指針となる医学教育モデルコアカリキュラムが改訂され,医師として求められる基本的な資質に「男女を問わずキャリアを継続させて,生涯にわたり自己研鑽を続ける意欲と態度を有する」と明記された.女性医師がこれまで十分に社会貢献できなかったことへの批判と今後への期待である.専門職業人の育成には,その集団の一員として,知識や技術のみならず専門職としての考え方,生き方をロールモデルから学びとることが重要である.医学生も医師も,医療の実践から学びとり成長する.女性特有のライフスタイルのために第一線から離れると,医師として自覚し,評価を得て更なる役割を期待されることが難しくなる.専門職の一員であり続ける意義は大きい.高い専門技術を維持し救急,重症患者の診療を担う消化器医師はなおさらである. 鹿児島県が2007年に実施した「女性が職業を持つことについての意識」調査では「子供ができたら職業を辞め,大きくなったら職業を持つ方が良い」と回答した男性51.6%,女性60.1%(2004年全国平均男性32.4%,女性37.0%)であった.女性が働き続ける意識が低い地域であり,鹿児島大学での男女共同参画の検討もようやく2009年に開始されたものの女性支援に対する理解は十分とは言えない.さらに離島やへき地を抱え深刻な医師不足を背景とした環境での研修は医療を担う個人の負担が大きく,女子学生は働く場の選択に苦慮し,細々と働ければ良いと考える育児・介護中の医師も少なくないようである. 医学科では入学早期から臨床実習に至る全ての学年で,医師としての自覚を促し医療者の在り方を理解する体験実習を導入して,キャリア形成を考える教育を行っている.女性支援に積極的な診療科では育児中の女性医師の早期フルタイムでの社会復帰が実現しており,教育と職場の支援によって女性医師の意識も変わる.鹿児島が女性医師の生き生きと活躍できる社会になることを期待している. |
索引用語 |