セッション情報 女性消化器医師支援委員会特別企画

女性消化器医師のキャリア開発と活躍支援

タイトル SS2-7:

女性消化器外科医への活躍支援 これからの消化器外科―女性消化器外科医のパワー―

演者 江口 晋(長崎大学大学院移植・消化器外科)
共同演者 崎村 千香(長崎大学大学院移植・消化器外科), 伊東 昌子(長崎大学病院メディカル・ワークライフバランスセンター)
抄録 女性消化器医師のキャリア開発と活躍支援について,外科指導者の立場より私見を述べる.当科にはH4年卒の小生の同級生を皮切りに,現在まで女性外科医(Female Surgeon:FS)20人が入局し,各々の立場で活躍している.第一線の外科医として活躍するFSもいれば,研究領域で国際的に活躍するFS,パートで外科外来を担当し3人の子育てに奮闘しているFSもいる.
外科志望の女性医師は肝が据わっていることが多く,能力的には男性外科医より既に高い程であるが,キャリア開発について教室としての誘導はない.つまり自分が進みたい道に進める配慮は,男性と同様である.当科は消化器外科をメインで診療しているが,他領域でのキャリアアップの希望があれば自由選択としている.つまり,you’ve got to find what you loveである.しかし,女性として人生の大舞台である結婚,出産はパートナーも含め,全面支援している.例としては出産前後休職制度の活用,朝夕のカンファランスの部分参加許容,パート医員制度の活用などである.長崎大学ではメディカル・ワークライフバランスセンター(MWLBC)による「あじさいプロジェクト」が立ち上がり,育児中の女性研究者へテクニカルスタッフを配置し研究補助を行なってきた.2012年にはMWLBC教授に共同演者伊東が就任し,その支援体制(復職トレーニング,講演会,キャリア支援相談)がさらに充実するものと予想される.
消化器外科は鏡視下手術導入とともに手の大きさ,力の強さなどは必要事項ではなくなってきており,さらなる進出を促進したい.また,女性患者が多い直腸・肛門外科などはFS専門として特化できると考える.外科医としてのキャリアが途切れることのないように,専門医教育,生涯教育など可能な範囲での職責を持たせ,復帰支援なども行なっていく所存である.当科のFS方々はJoyful(ジョイフル)会という女子会を開いているようであるが,我々が肴となっていることは火を見るよりも明らかである.
索引用語