セッション情報 女性消化器医師支援委員会特別企画

女性消化器医師のキャリア開発と活躍支援

タイトル SS2-8:

女性消化器外科医への活躍支援 女性外科医の希望と展望―まだまだ未熟な医師経験の中で―

演者 崎村 千香(長崎大学大学院移植・消化器外科)
共同演者 江口 晋(長崎大学大学院移植・消化器外科), 伊東 昌子(長崎大学メディカル・ワークライフバランスセンター)
抄録  私は医師として9年目,外科医として7年目というまだまだ若輩者である.その短い経験の間,人生の大仕事といわれる結婚と出産(一子)を経験し,まだまだ子育てに奮闘しながら,外科勉強中の立場である.その立場から,現状や今後の希望,展望を私なりに皆様にお伝えしたいと思う.
 妊娠中は,お腹のふくらみと言った目に見える変化に職場のみならず,社会全体が応援してくれる雰囲気があり,あまりつらく感じたことはなかった.
 出産後,私が一番感じたのは私自身の職場の支援のみでは,健全な就労継続には十分でないと言うことである.女性医師は夫が医師である場合が多い.ただでさえ労働条件が過酷である医師が家庭に二人もおり,さらにしばらくは親の手が必要である子供が加わることにより,必然的に妻に自己犠牲が強いられるのが,依然,現代の社会である.女性医師をサポートするにはその女性医師だけでなく,相手側の職場を含めたサポートもとても大切となってくると思われる.これは他の職場でも言えよう.
 国家試験受験者の約3割が女性と言われる昨今であるが,医師全体としてみれば女性の数は少ない.また,日本全体でみると共働きが半数を超えたとはいえ,フルタイムで働く女性の割合は少ない.しかも,決定権のある立場の女性の比率は顕著に低いのが現状である.
 もちろん,いろいろなことに気配りを頂き,何とか仕事を続けられるよう配慮を頂いて居るが,それとともに我々は負い目を感じながら仕事を続けていることも忘れないで頂きたい.
 「当直がなくていいですね」の一言で傷つくものである.
 お互い,それぞれの状況で立場が違うので完全にわかり合うことは難しいとは思うが,それぞれを尊重し合い,お互いさまの気持ちで,共存ができる医師社会を作りたいといつも願っている.
索引用語