セッション情報 |
シンポジウム1
C型肝炎治療の最前線
|
タイトル |
S1-2:C型慢性肝炎に対するテラプレビル+ペグインターフェロンα+リバビリン3剤併用療法の治療早期効果におけるIL28B遺伝子多型の影響
|
演者 |
池田 房雄(岡山大学消化器肝臓内科学) |
共同演者 |
岩崎 良章(岡山大学保健管理センター), 山本 和秀(岡山大学消化器肝臓内科学) |
抄録 |
【目的】難治性のC型慢性肝炎に対するペグインターフェロン(PEG-IFN)とリバビリン2剤併用療法では治療早期効果にIL28B遺伝子多型(SNP)が関係することが報告されているが,テラプレビルを含めた3剤併用療法での検討はまだ十分ではない.今回,治療早期効果関連因子について検討した.【方法】当院および関連施設においてテラプレビル,PEG-IFNαとリバビリンの3剤併用療法を導入した1型高ウイルス量のC型慢性肝炎100例を対象とした.年齢59±9歳,男性60例,女性40例,IFN治療歴は初回治療例36例,再燃例46例,無効および効果不明例18例であった.IL28BのSNP(rs8099917)はReal time PCR法により決定し,治療早期効果との関連を解析した.【成績】治療4週でのウイルス陰性化例は80例中65例(81.2%)だった.IFN治療歴別では初回治療例で28例中25例(89%)と再燃例35例中30例(86%)に有意差は認めなかった(P=0.72)が,無効および効果不明例は17例中8例(53%)と他2群と比較して有意に低率だった(P=0.004).IL28BSNPを解析しえた57例(TT 41例,TG/GG16例)で治療4週ウイルス陰性化率はTT群86%,TG/GG群81%で有意差を認めなかった(P=0.69).治療開始2週(治療1日,3日,7日,14日)までのウイルス減少量を検討できた25例で比較すると,治療1日でのウイルス減少量はIL28BSNP TT例(20例)で3.2 LC/ml,TG/GG例(5例)でも3.2 LC/mlと有意差を認めなかった(P=0.92).治療3日,7日,14日でも同様に有意差を認めなかった.治療歴別でも検討したが,初回治療例と再燃例で治療開始2週のウイルス減少量に有意差を認めなかった.【結論】テラプレビル,ペグインターフェロンαとリバビリン3剤併用療法おいてIL28B SNPタイプや治療歴の違いで治療早期効果に有意差は認めなかった. |
索引用語 |
|