セッション情報 シンポジウム1

C型肝炎治療の最前線

タイトル S1-6[追加]:

PEGIFNα/Ribavirin/Telaprevir 3剤併用療法の治療効果

演者 片野 義明(名古屋大学大学院消化器内科学)
共同演者 石上 雅敏(名古屋大学大学院消化器内科学), 後藤 秀実(名古屋大学大学院消化器内科学)
抄録 【目的】1型高ウイルス量のC型慢性肝炎に対するPEGIFNα/Ribavirin/Telaprevir 3剤併用療法は高い治療効果が期待されているが,貧血,皮膚症状,腎障害などの副作用には注意を要する.臨床試験では対象ではなかった65歳以上の高齢者も含め,実臨床での治療効果を検討する.【対象】PEGIFNα/Ribavirin/Telaprevir 3剤併用療法を開始し,4週以上経過した1型高ウイルス量のC型慢性肝炎患者51例を対象とし,IL28BおよびITPA遺伝子多型を含む患者背景とHCV量の推移,副作用につき検討した.【成績】男性31例,女性20例.平均年齢53.2歳(65歳以上8例).初回治療24例,前治療再燃20例,前治療無効7例.IL28B近傍遺伝子多型はTT 71.0%,ITPA遺伝子多型はCC 74.0%であり,Core70アミノ酸変異はWild 73.9%であった.平均HCV量6.5 logIU/mL,平均Hb 14.5 g/dl,平均Plt 16.9万/μl,平均ALT 62.3 IU/mlであった.11例はTelaprevirを1500mg/日で開始した.G3の皮膚症状のため3例(1日,3週,4週),4週時HCV>3.0LogIU/mlのため1例,食思不振著明のため1例(5週),Hb減少のため1例(11週)計6例3剤治療を中止した.4週以上治療した49例中37例(75.5%)において4週でHCVは陰性化したが,IL28B近傍遺伝子多型TT例,初回治療もしくは前治療再燃例で有意であり,Telaprevr初回投与量,年齢に有意差はなかった.Hb値低下のため全例でRibavirinの減量を要したが,4週の低下は,ITPA遺伝子多型AA/CAが-1.8に対してCCは-3.4と有意に大きかった(p<0.05).Telaprevirを1500mg/日で開始した11例は,2250mg/日投与例に比し有意に女性の割合が多く(p<0.01),治療前のHb値が低値であった(p<0.05)が,4週のHb値の低下は,2250mg/日例の-3.0に対して-2.4と小さかった.【結論】PEGIFNα/Ribavirin/Telaprevir 3剤併用療法は高い治療効果が期待されるが副作用には注意を要し,Telaprevirの1500mg/日での導入は有益と考えられた.
索引用語