セッション情報 | シンポジウム1C型肝炎治療の最前線 |
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タイトル | S1-10:Telaprevirを用いた3剤併用療法:埼玉県におけるAG&RGTトライアル |
演者 | 菅原 通子(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科) |
共同演者 | 甲嶋 洋平(さいたま赤十字病院), 持田 智(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科) |
抄録 | 【目的】1b型,高ウイルス量のC型慢性肝炎に対するtelaprevirを用いた3剤併用療法の治験では無効例のSVR率34%と低率である.しかし治療中止時にHCV-RNA検出感度未満の症例では初回例90%,再燃例95%,無効例75%であり,治療法の工夫でSVRを達成できる可能性がある.3剤併用療法の効果には,IL28BのSNPs(Gene),薬物投与量(adherence)と共にHCV-RNA陰性化時期(Response)が関与する可能性があり,これらを組み合わせてRBVとPeg-IFNの投与期間を決定するAG&RGTトライアルを多施設共同研究(大学IRB承認)で開始した. 【方法】対象は2012年7月末までに3剤併用療法を開始した217例で,初回87例,再燃73例,無効49例,前治療の効果不明8例であった.治療期間はRVR例でadherenceがRBV,Peg-IFNとも80%以上の症例と何れかが80%未満だがIL28B SNPsがmajor alleleの症例は24週,RVRであるがadherenceが80%未満でminor alleleの症例とnon-RVR例は48週とした. 【成績と考案】治療開始4週に達した179例で,RVR率は79.9%,初回例82.7%,再燃例82.8%,無効例67.5%で,8週の陰性化率は全体で97.8%,陽性の3例もHCV-RNA量1.2未満であった.RVR率はIL28B SNPsがmajor allele 85.3%,minor allele67.2%,後者でコア70が野生株63.6%,変異株67.7%であった.副作用は,皮疹と高度の吐き気はステロイド投与で,貧血,高尿酸血症,腎障害は経口薬の減量で対応できたが,網膜症が高度の症例が多く眼底病変が治療中止の原因として最多であった.なお2012年1月までに治療を開始した症例では,27.6%が48週の延長投与に移行しており,中止例を含めて全体の65.5%でSVRが得られていることから,延長投与が奏功した場合はITT解析で最大93.1%のSVRが得られる可能性がある. 【結語】3剤併用療法のRVR率は高率で,8週では大部分の症例で血清HCV-RNA陰性化が得られているが,AG&RGTトライアルによって治療期間を延長した場合の効果を明らかにし,眼底病変等の副作用対策を講じることが今後の課題である. |
索引用語 |