セッション情報 シンポジウム2

肝画像診断の最前線

タイトル S2-4:

異なる超音波弾性法とELFスコアによる肝線維化診断の有用性

演者 高嶋 智之(兵庫医科大学内科学肝胆膵科)
共同演者 飯島 尋子(兵庫医科大学超音波センター), 西口 修平(兵庫医科大学内科学肝胆膵科)
抄録 【目的】肝線維化は肝生検で確定診断されるが,侵襲的等問題がある.我々は超音波線維化診断法Virtual Touch Tissue Quantification(VTTQ)を中心に検討している.今回,異手法Shear Wave Elastgraphy(SWE)の有用性を検討した.また新血清Enhanced Liver fibrosis panel(ELF)も検討した.【方法】2008年10月~2012年7月VTTQでVs値(m/s)を測定した慢性肝疾患803例+健常人28例(B型152,C型459,B+C 9,NBNC183例)を対象.F4は臨床的肝硬変も含めた.線維化(F)は,F0 69,F1 310,F2 137,F3 154,F4 161例である.VTTQとSWEを測定した332例も対象.ELF試験は,血清ヒアルロン酸(HA),P3P,TIMP-1でアルゴリズムを作成ELFスコアを算出した.【結果】F因子別の平均Vs値F0;1.16,F1;1.23,F2;1.37,F3;1.52,F4;2.18.ELFスコアF0;8.57,F1;9.00,F2;9.86,F3;10.87,F4;11.32と線維化伴い増加した.肝硬変の診断能はVTTQ,ELFそれぞれAUROC 0.890,0.867と良好な判別能を得た.Cut off値をELFスコア10.0,VTTQ1.61とした感度,特異度,陽性的中率はそれぞれVTTQ82%,87%,52%,ELF95%,68%,39%であった.一方VTTQとSWEを比較した症例ではVTTQ,SWEそれぞれF0-1:1.08±0.12,1.38±0.13,F2-3:1.48±0.19,1.62±0.46,F4(臨床的肝硬変):2.03±0.59,2.31±0.43で肝線維化の進展に伴い測定値は上昇した.またVTTQとSWEは相関係数0.804と有意な相関を示した(P<0.001).各線維化マーカーとF因子別の相関係数は,HA;0.578,P3P;0.234,TIMP-1;0.430,ELF;0.6534型コラーゲン7S;0.616(いずれもP<0.001)であった.【結論】超音波による肝線維化診断VTTQとSWEは同様に診断に有用でELFスコアを含め非侵襲的線維化診断に有用である.
索引用語