セッション情報 |
シンポジウム2
肝画像診断の最前線
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タイトル |
S2-5[追加]:ソナゾイド造影超音波を用いた肝実質微小循環解析の臨床診断的意義
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演者 |
住野 泰清(東邦大学消化器内科(大森)) |
共同演者 |
松清 靖(東邦大学消化器内科(大森)), 池原 孝(東邦大学消化器内科(大森)) |
抄録 |
門脈血は富栄養で肝にとって重要な血流であるが低圧であり,慢性肝疾患の進行・線維化に伴い圧の上昇,流量の減少を来す.それを代償するように高圧の動脈血流が肝実質に灌流する.いわゆる肝実質血流の動脈化である.このように肝病変を反映して変化する微小循環を我々はソナゾイド造影超音波で解析検討してきたのでその成績を示す.施設倫理委員会承認済み.【対象・方法】早朝空腹時に肝実質造影超音波を施行した急性肝炎17例(A型1例,B型13例,C型1例,AIH2例),アルコール性肝障害32例,組織所見を得たC型慢性肝疾患152例を対象とした.装置は東芝AplioXG.造影超音波:ソナゾイド0.015ml/kgをボーラス静注後,肝・右腎のfirst passを30秒間記録しarrival-time parametric imageを得,さらにそれをperfusion parametric imageに変換し,肝実質の灌流動態を検討した.【結果】急性肝炎:急性期には17例全例が動脈化を呈し,第2病週には16例が健常と同様の門脈灌流パターンへと戻ったが,戻らなかった1例はLOHFへと進展した.アルコール性肝障害:肝硬変(ALC)はC型LCより著明な動脈化を来していた.Hyperdynamic circulationの影響を否定できず,現在検討中である.また経過観察例では飲酒すると動脈化するが,断酒して2-3週すると門脈灌流に戻るという所見が得られ,飲酒チェッカーとしての有用性が示唆された.C型慢性肝疾患:病変が進行すると動脈化が高度になり,線維化ステージと相関を示した.門脈圧上昇,門脈血流減少に対する代償性変化と考えられるが,さらなる類洞圧上昇を惹起する可能性があるため腹水,静脈瘤,脾腫と比較検討したところ,動脈化症例では腹水と静脈瘤が多い傾向が認められた.【まとめ】各疾患で認められる現象・メカニズムは多様であり,その解析は病変・病態の掌握に有用である. |
索引用語 |
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