セッション情報 シンポジウム2

肝画像診断の最前線

タイトル S2-13:

3D Fusion画像を用いた肝癌に対するRFA治療の効果診断と新たな画像支援下追加治療への応用

演者 榊原 充(大阪府立成人病センター肝胆膵内科)
共同演者 大川 和良(大阪府立成人病センター肝胆膵内科), 片山 和宏(大阪府立成人病センター肝胆膵内科)
抄録 【目的】肝癌に対するRFA治療において凝固マージンと局再率に相関があると報告されている.マージン判定には治療前後CTを比較するが,異時的に撮影された画像間では肝に変位があるため正確な判定は困難である.そこで前後画像を3次元的に重ね合わせて変位を補正したVolume Fusion Image(VFI)を作成し,より精度の高いマージン判定を行うことを目的とした.また,治療不足部位へのVFIを応用した新たな画像支援下治療法の開発を目的とした.【方法】VFIは治療前後画像を用いAQ Net Viewer(TeraRecon, Inc.)で作成した.当院でRFA治療を施行した局再でない139結節についてVFIでの判定とその後の局再との関係について検討した.またVFIで治療不足と判定された結節を対象に,VFI上で指摘された治療不足部位を前回治療後画像上にマーキングし,RVSターゲットモード(日立Preirus)を用いてソナゾイド造影超音波下に再RFAを行った(Targeting Additional Ablation with RVS:TAARVS).【成績】VFIでのマージン判定と局所再発についてカプランマイヤー法で検討するとマージンが短いほど局再率が高かった(p=0.0054).また,全22局再結節のうち19結節が前治療でのマージンなし・遺残部位からの再発であり,同部位が追加治療のターゲットとなり得ることが示唆された.そこでVFIで治療不足と判定した症例に対し,TAARVSを用いて追加治療を行った.一般に再RFAの際は主病変が前回治療で不明瞭化しているため治療部位決定が困難であるが,TAARVSでは前回治療痕の形状がランドマークとなり追加治療部位同定がむしろ容易であった.また全例で再々治療を必要とせず効率的に追加治療が可能であった.【結語】VFIでは簡便で精度の高いRFA効果診断が可能である.TAARVSを用いるとVFIによってピンポイントで指摘された治療不足部位に対する正確な追加治療が可能であり,将来的な局再率低下が期待できる.
索引用語