セッション情報 |
シンポジウム3
NAFLD/NASHの病態解明と治療への展開
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タイトル |
S3-1:閉経女性NASH患者治療における高コレステロール血症の意義:マウスモデル,健診データでの検討
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演者 |
鎌田 佳宏(大阪大学消化器内科) |
共同演者 |
木曽 真一(大阪大学消化器内科), 竹原 徹郎(大阪大学消化器内科) |
抄録 |
【目的】閉経後女性NASH患者数は増加し,その進展が速いことが近年報告されている.閉経後に起こる高コレステロール血症が一因と考えられるが閉経後NASHの治療法はいまだ確立したものはない.今回我々は閉経後マウスNASHモデルとして卵巣摘出マウスに高脂肪高コレステロール食(HFHC食)投与を投与し,エストロゲンあるいはピタバスタチンによる治療効果を比較検討した.また健診データを用いてコレステロール値の肝機能検査値に及ぼす影響についても検討を行った.【方法】♀C57BL6マウスを卵巣摘出し,6週間HFHC食投与群(OVX-HFHC群),エストロゲンを補充した群(E2群)あるいは0.005%ピタバスタチン混じHFHC食投与群(pitava群)で肝臓組織,血清ALT値,コレステロール値,肝臓遺伝子発現について比較検討した.また健診受診女性3783人のうち明らかなウィルス肝炎マーカー陽性者,エタノール換算で1日20g以上の飲酒者を除いた3460人のデータを用いて50歳以上,50歳未満に分けて肝機能検査値に対する有意決定因子を多変量解析にて検討した.【成績】マウス血清ALT値,総コレステロール値はOVX-HFHC群に比しE2群,pitava群でいずれも有意に低下した.肝臓への炎症細胞浸潤,炎症性サイトカインの肝臓内遺伝子発現もE2群,pitava群で改善していた.これら改善の程度はE2群,pitava群でほぼ同程度であった.健診データを用いた検討では血清LDLコレステロール値が50歳以上女性でのみALT,γGTPの有意決定因子として抽出された.【結論】卵巣摘出マウスNASHモデルではエストロゲン補充,ピタバスタチン投与が同程度に血中コレステロール値,肝障害進展を抑制した.ヒトでは50歳以上の女性でのみ肝機能障害に血中LDLコレステロール値が関与していた.閉経後女性のNASH進展治療に高コレステロール血症治療が有効である可能性が示唆された. |
索引用語 |
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