セッション情報 |
シンポジウム3
NAFLD/NASHの病態解明と治療への展開
|
タイトル |
S3-6:非B非C肝炎において肝脂肪は発癌の危険性を低下させる
|
演者 |
榎奥 健一郎(東京大学医学部附属病院検査部) |
共同演者 |
建石 良介(東京大学医学部附属病院消化器内科), 小池 和彦(東京大学医学部附属病院消化器内科) |
抄録 |
【目的】Controlled Attenuation Parameter(CAP)はFibroscanのデータから肝脂肪量を定量できるソフトである.非B非C肝炎におけるCAPの有用性を検討した.【方法】2012年3月から5月に当科を受診した慢性肝障害患者のうち,B型肝炎,C型肝炎,PBC,自己免疫性肝炎,薬剤性肝障害を除く276人を対象とし横断研究を行った.肝脂肪量と肝弾性値の測定,採血,身体測定を行った.肝脂肪量と各パラメータの関係をスピアマンの相関解析で調べ,肝脂肪量を目的変数として重回帰分析を行った.【結果】22人で肝細胞癌の既往があった.スピアマンの相関解析にて年齢,BMI,腹囲,血小板数,血清アルブミン,総ビリルビン,AST,ALTが肝脂肪量と強く相関した.重回帰分析では血小板数,血清アルブミンは肝脂肪量と正の相関を,総ビリルビンは負の相関を示した.肝細胞癌の罹患率は肝弾性値が高く肝脂肪量が低い症例で高かった.肝脂肪量が300dB/m以上の患者に肝細胞癌の既往を持つ症例は存在しなかった.【結論】いわゆるcryptogenic cirrhosisにおいて,肝脂肪が多い間は肝細胞癌を発癌しにくい可能性がある. |
索引用語 |
|