セッション情報 | シンポジウム4肝疾患における金属代謝研究の進歩 |
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タイトル | S4 司会の言葉:司会の言葉 |
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抄録 | 肝疾患では頻繁に金属代謝異常を伴い,鉄,銅ならびに亜鉛の異常はよく遭遇する.いくつかの肝疾患で鉄が肝細胞に蓄積するが,様々な遺伝子異常による家族性鉄過剰症やC型肝炎感染症では肝細胞の産生するhepcidin低下による腸管上皮細胞でのferroportin発現亢進が鉄過剰の原因と明らかとなった.また脂肪性肝疾患においても鉄が肝細胞に沈着する.これらは肝細胞癌の発生にも関与していると考えられている.銅代謝の中心は肝細胞が演じている.銅は生体にとって必須の元素で,過剰に存在すると細胞を障害する.肝細胞から胆汁中への銅排泄が唯一の銅の排泄経路であり,ウイルソン病や胆汁うっ滞ではこの経路が障害される.亜鉛の欠乏は慢性肝疾患で見られる変化である.亜鉛は慢性肝疾患やウイルソン病の治療にも用いられ注目されている.本シンポジウムではこれらの金属代謝の基礎的・臨床的進歩を広く公募し,今後の方向を議論したい. |
索引用語 |