セッション情報 シンポジウム6

HP除菌後の病態と対応

タイトル S6 司会の言葉:

司会の言葉

演者  
共同演者
抄録  Helicobacter pylori(HP)の除菌療法が保険適用となり10年以上が経過し,上部消化管疾患の概念が大きく変わってきている.従来,加齢現象とされていた胃粘膜萎縮の進展がHP感染者のみにみられる現象であることが判明した.HP感染により生ずる組織学的胃炎が除菌により改善することは明らかであり,除菌後の長期経過では萎縮や腸上皮化生も改善するという報告も多い.また,除菌後に胃癌の発生は低下するとの報告が多いが,除菌後胃癌がなくなることはない.除菌後の最大の機能的な病態変化は胃酸分泌の上昇(回復)であり,GERDを代表する酸関連疾患の発生も問題として残っている.また,NSAID併用患者における除菌後の病態変化と消化性潰瘍のリスクとの関連も微妙である.本シンポジウムでは,HP除菌後の病理学的,生理学的な病態変化に対する臨床的な対応について,小児や高齢者の除菌や腸内細菌叢の変化も含め,なるべく多数例の長期経過で討論を行いたい.
索引用語