セッション情報 シンポジウム8

切除不能大腸癌の化学療法

タイトル S8-7:

切除不能大腸癌肝転移症例に対する肝動注化学療法の検討

演者 城野 智毅(公立八女総合病院内科)
共同演者 永松 洋明(公立八女総合病院内科), 佐田 通夫(久留米大学消化器内科)
抄録 【目的】我々は大腸癌肝転移が主な予後因子となりうる場合,全身化学療法が不応で肝転移が主の場合に肝動注化学療法(HAIC)を治療戦略のひとつとしている.今回,我々は切除不能大腸癌肝転移症例に対しHAICを施行し,その有用性,安全性について検討した.【対象】2003年7月から2012年8月までに切除不能大腸癌肝転移に対してHAICを施行した28症例(平均年齢:65.8歳,男性/女性:14/14例,H1/H2/H3:5/12/11,HAIC前CEA(平均):254.5(2.3~3990)ng/ml,HAIC前治療有/無:15/13例,25例は原発巣切除を施行).【方法】全例右大腿部または左前腕部に皮下埋込み式リザーバーを留置し,HAICを施行した.Regimenは,CDDP 20mg/0.5hr+5-FU 1500mg/5hrをweeklyに5回,その後biweeklyに可能な限り継続した.治療効果は肝内病変に対し,RECISTにて行った.累積生存率はKaplan-Meier法にて算出した.腫瘍マーカーは治療前後のCEAをMann-Whitneyにより評価した.【結果】全例皮下埋め込みリザーバーを留置した(大腿部/前腕部:8/20例).リザーバーに伴う合併症として,感染や動注潰瘍,脳梗塞,カテーテル逸脱などは認めなかった.HAIC回数(平均)は,15.7(2~33)回であった.HAICで使用した抗癌剤に伴う副作用による中止は今回の症例では認められなかった.HAICの効果は,CR/PR/SD/PD:3/17/3/5例で奏功率は71%であった.28例の累積生存期間中央値(MST)は初期治療開始後で30ヶ月,HAIC開始後の1年生存率は65%,2年生存率は23%でHAIC開始後のMSTは20ヶ月であった.FOLFOX,FOLFIRIが不応でHAICを施行した症例は10例存在し,うち7例はPR以上が得られ奏効率は70%であった.【まとめ】切除不能進行大腸癌肝転移に対するHAICは安全に行うことができ,良好な成績が得られた.大腸癌原発巣が制御され,予後因子が肝転移の場合,全身化学療法が不応の場合にHAICは治療選択のひとつとなりうると考えられた.
索引用語