セッション情報 |
シンポジウム8
切除不能大腸癌の化学療法
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タイトル |
S8-9:Conversion chemotherapyが施行された治癒切除不能大腸癌に対する予後因子解析
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演者 |
井上 靖浩(三重大学消化管・小児外科学) |
共同演者 |
田中 光司(三重大学消化管・小児外科学), 楠 正人(三重大学消化管・小児外科学) |
抄録 |
【はじめに】治癒切除不能進行・再発大腸癌治療においては,治癒切除を目指したConversion chemotherapyが肝転移症例を中心に着目されている.しかしながら,肝外転移での有効性や2次切除のタイミング,切除後の補助化学療法など十分明らかにされていない.今回,当科でConversion chemotherapyが施行された切除不能大腸癌に対する予後因子解析を行い,大腸癌集学的治療の最適化を検討した.【対象と方法】治療的化学療法を先行し,PRあるいはSDが得られた症例において,原発・転移巣を含む切除あるいはRFAが施行されたものを広義のConversion群と定義し,各種臨床病理学的因子がConversion後の予後指標となりうるか検討した.【結果】2000-2011年,当科にて治療的化学療法を先行した進行・再発大腸癌245例中,化学療法が奏効し2次切除またはRFAを施行したConversion群は82/245(33%)であり,Conversion部位は肝19,肺19,肺肝2,局所12,切除不能原発12,播種16,膀胱1,リンパ節1と多岐に渡った.Conversion群は非Conversion群と比較して有意に予後良好であった(MST43.7 vs. 21.5ヶ月,p<0.0001).多変量解析にてConversionに寄与する独立因子は奏効率(OR4.025,p<0.0001),放射線療法(OR3.692,p<0.0013)であった.Conversion群の予後因子として,多変量解析にてConversion直前のmodified Glasgow Prognostic Score(mGPS)(OR3.412,p=0.0216)および化学療法導入前のCEA高値(OR1.908,p=0.0244)が独立予後規定因子であった.とくにmGPSで,Conversion後の予後は有意に層別され,平均生存期間はmGPS2(918日,n=4)<mGPS1(1320日,n=15)<mGPS0(1429日,n=63)であった.【まとめ】Conversion chemotherapyを用いた大腸癌修学的治療において,画像診断による切除可否の評価に加え,化学療法中のmGPSがConversionのタイミングや補助化学療法選択の有用な指標になる可能性が示された. |
索引用語 |
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