セッション情報 |
シンポジウム9
非切除胆膵癌に対する内視鏡的interventionの進歩
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タイトル |
S9-4:Borderline resectable膵頭部癌に対する術前内視鏡的治療戦略
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演者 |
窪田 賢輔(横浜市立大学附属病院消化器内科) |
共同演者 |
遠藤 格(横浜市立大学付属病院消化器移植外科), 中島 淳(横浜市立大学附属病院消化器内科) |
抄録 |
【背景】術前放射線化学療法(NAC-RT)は,閉塞性黄疸を呈するBorderline resectable膵頭部癌(BRPHC)において,R0獲得のための有用な補助療法である.従来はプラスチックステント(PS)が用いられていたが,急性胆道炎が問題であった.内視鏡的胆道stent挿入後の急性胆道炎を低率に抑え,約3カ月のNAC-RT期間を安定した状態にするため内視鏡的胆道stentの選択は重要である.【目的】BRPHCにおける,NAC-RT期間に至適な内視鏡的interventionを検討する.【方法】NCCN2012のBorder resectable膵癌の定義を満たし,術前に病理学的に診断されたBRPHC(n=57)を検討した.経乳頭的に診断不能な場合はEUS-FNAを行った.NAC-RTはgemcitabinとTS-1を併用し,30Gy/2週の対外照射を行った.2004年4月から2008年6月までのPS留置をA群,2008年7月から2010年10月までのPS留置およびNAC-RT施行をB群,2010年11月から2012年9月までのCovered metallic stent(CMS)留置およびNAC-RT施行のC群とし,3群間のステント開在期間,re-intervention率,手術の合併症について検討した.【成績】A,B,C群の内訳はそれぞれ19例,21例,17例であった.切除までの平均期間はA,B,C群はそれぞれ50日,101日,119日であった.平均ステント開存期間はA,B,C群はそれぞれ32日,55日,97日であった.NAC-RTを行ったB,C群においては,C群のステント開存期間が有意に長く,re-interventionもB,C群はそれぞれ85.7%,23.5%と有意にC群で低率であった(p<0.05).CMSは閉塞時,容易に抜去が可能で,切除に際し影響しなかった.R0達成率はA,B,C群はそれぞれ64.7%,100%,93%で,有意にNAC-RT群で高率であった(p<0.05).手術の合併症は3群間で差を認めなかった.【結論】BRPHCにおいてCMS併用は,術前NAC-RT期間を安定化させ,R0達成率を高める可能性があり,手術の妨げにならない.今後の内視鏡的interventionの第一選択となる可能性がある. |
索引用語 |
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