セッション情報 |
シンポジウム9
非切除胆膵癌に対する内視鏡的interventionの進歩
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タイトル |
S9-8:十二指腸狭窄を伴う非切除胆膵癌に対する内視鏡的interventionの現状
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演者 |
堤 康一郎(岡山大学消化器・肝臓内科学) |
共同演者 |
加藤 博也(岡山大学消化器・肝臓内科学), 山本 和秀(岡山大学消化器・肝臓内科学) |
抄録 |
【目的】十二指腸狭窄を伴う非切除胆膵癌に対する十二指腸ステント(DS)留置は2010年4月の保険適用以降広く普及している.高率に合併する胆管狭窄に対するinterventionとの両立も重要であり,これらの現状を明らかにする.【方法】対象は2003年1月~2012年8月に当院で上記疾患にてDS留置を行った86人87病変(男49女37,平均年齢67歳,留置後生存期間中央値73日).原疾患は膵癌58/胆道癌28(胆管14/胆嚢12/乳頭2).留置適応は嘔吐,腹満感などの有症状例と狭窄による乳頭へのアプローチ困難例とした.留置法は,初期はOver the wire法(Ultraflex),後期はThrough the scope法(Niti-S,Wallflex)にて行った.各症例をDS留置部位により,A:乳頭の口側,B:乳頭上,C:乳頭の肛門側に,十二指腸・胆管閉塞発生時期により同時性,異時性(胆→腸または腸→胆)に分類.1)DS留置の成績,2)合併症,3)胆管狭窄合併例での特徴と成績について検討した.【結果】1)留置成功率98%(85/87).留置部位はA/B/C=42/20/23.留置前後で平均GOOSSスコア0.9→2.6,平均KPS 73→81(p<0.01)と有意な改善を得た.2)合併症率31%(26/85).うちDS閉塞は13%(A/B/C=10%/25%/9%)とBに多く,閉塞時期中央値136日(14-500)であった.出血9%のうち,保存的なコントロール不良例は6%(A/B/C=5%/0%/13%)に認め,Cの66%(2/3)は浸潤したSMAからの出血でありTAEでの止血を要した.3)胆管狭窄合併率82%(A/B/C=91%/100%/48%).発症時期は,Aでは胆→腸(74%),Bでは同時性(50%)が多かった.また内視鏡的胆管ドレナージは,EUS-BDの導入にもより,Aの87%(33/38:経乳頭31,EUS-BD2),Bの95%(19/20:経乳頭11,EUS-BD8)と高率に可能であった.【結論】DS留置は患者のQOLの改善を得られる有効かつ安全な治療法である.胆管ドレナージ法の進歩とも相まって,非切除胆膵癌患者における低侵襲治療としてさらに大きな役割を担うと考えられる. |
索引用語 |
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